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2012年10月13日 (土)

『人造乙女博覧会Ⅲ』

東京・銀座ヴァニラ画廊で開催中の人造乙女博覧会Ⅲを観てきました。
ラブドールの製作で有名なオリエント工業の創業30周年を記念した展覧会(5年前)の第三弾で、今年で35周年とのことです。
入場料500円、18歳未満は入れません。写真撮影は不可。

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松坂屋銀座店裏の細長いビル                             ビルの狭さが秀逸

1954年竣工の地上6階地下1階の細長いビルで、画廊がいくつも入っているようでした。ただ、2人乗りエレベーターのボタンは⑤までしかなかった。倉庫みたいな扉がいい。
どういう方がお客さんなのかな~、とおもいながら行ってみたところ女性多数! 「かわいい!」を連発している。たしかにかわいい、そして重い。空気式やマネキンのイメージを払拭していなかった作者は量感に感動しました。抱っこしたい! でも出来ない。
最新作の子は身長157cm、体重25kgくらい。触ってもいい子(インスタレーションは触れません)触らしてもらいました。これはいい。ほしい! 60万円か! 連れて帰るのは難儀(即売はしていません)。ヘアメイクされグロス塗られネイルもしているのです。
柔軟性と強度のバランスに試行錯誤されているそうです。美術品じゃないので。

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オリエント工業のブックレット付き(表紙は製品の写真です)


ぺ・ドゥナ主演映画『空気人形』DVDも販売されていました

最新作『夢』は目を閉じています。少しだけ開いた唇から歯が覗いているのですが、端がちゃんと犬歯になっていました。断トツかわいい~、とかおもいながら、頭部のない状態で発見されたサモトラケのニケ像を思い出しました。

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パリ・ルーヴル美術館におわすサモトラケのニケ像

女神(ニケは勝利の女神)は人間の言葉なんか喋んないほうがいいんじゃなかろうか、とか考えました。
古代ギリシア神話『パンドラの箱』物語で有名なパンドラ。開けてしまった箱(甕)のなかから災厄が世界中に飛び出したけど、希望だけが底に残ったという話。そもそも雷神ゼウスが火盗みの罰(盗んだのは先見持つ者プロメテウス)として人間に与えた災いとは、この女=パンドラその人。鍛冶の神ヘーパイストスに命じて土を捏ねてつくらせた麗しの乙女。その顔は不死なる女神似。愛の女神アプロディテが魅惑の色気をその頭に注ぎ、泥棒の神ヘルメスが偽りと甘き言葉、不実の性をその胸を植えつけ、知恵の女神アテネが服を着せ、美の女神カリスが黄金の首飾りをかけ、そして『人間どもに禍いあれ』と地上へ贈られた。
このパンドラから女の族が生まれたと物語はつづく。古代ギリシアでは『女』は災厄のひとつだったようだ。
前置きがずいぶん長くなったけど、つまり『夢』ちゃんたちはこの禍(=女)になる前の、ヘーパイストスが土で捏ねた段階の麗しの乙女なんだな、ということです。女神と人間のあいだ。

雷神ゼウス『人間どもはみな、おのれの災厄を抱き慈しみつつ、喜び楽しむことであろうぞ』

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