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2013年3月25日 (月)

平成25年3月歌舞伎「隅田川花御所染女清玄」

東京千代田区・国立劇場に、平成25年3月歌舞伎公演『通し狂言 隅田川花御所染―女清玄―』を観に行ってきました。(読み方は、とおしきょうげん すみだがわはなのごしょぞめ おんなせいげん)

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正面(皇居お堀側から)                           掲示板フォントがかわいい

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桜が開花したばかりのところ  波と笛で弁天様かとおもいきや『楽天女(がくてんにょ)』という国立劇場オリジナル紋らしい

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裏から(半蔵門駅側から)見ると建物のあぜくら感(?)際立つ 付随する伝統芸能情報館はむりょう

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今回ポスターが色っぽいのだ                       自販機にもおんなじポスター

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入口に大きく時間割を出していたのが親切。

序幕 第一場 雲中より鎌倉六本杉の場   12:00~13:20
    第二場 新清水花見の場
    第三場 野路の玉川庵室の場
    第四場 元の新清水の場

二幕目 第一場 隅田川梅若塚の場     13:50~14:30
     第二場 同   渡し船の場

三幕目     浅茅ヶ原妙亀庵の場     14:45~15:25

大詰      隅田川渡しの場        15:45~16:25
           ―都鳥名所渡―常磐津連中

         アフタートーク         16:30~16:50

この日は役者さんによるアフタートークも予定されていたので、休憩含め約5時間。
悠長である。通し狂言(⇔放れ狂言。一幕物)の醍醐味を味わうには5~6時間はあったほうがいい。もちろんもっと長くてもいい。いいよね。日がな一日芝居小屋で過ごすなんて、退廃的で刹那的で切ない江戸末期の名もなき市井の有象無象っぽくて(作者はまちがいなく現代の有象無象。相通ずるものアリ)。当時、芝居小屋は吉原遊郭どうよう“悪所”(あくしょ)と呼ばれていました。
ただ確実に腹が空くから、木戸銭はリーズナブルだといいよね。タダとか。かつての花相撲みたいに木戸銭なしでご祝儀だけ(花枝に結ぶ)の興行やったらいいのに。まあやんないか。

ちなみにほぼオンタイムで進行されました。

11                    “悪所”はいまや立派な国立劇場となりぬ

男女比 3:7 年齢層50~60代 訪問着にまとめ髪多し。

題名に“「女」清玄”とあるのは、もともと浄瑠璃・歌舞伎の主人公で、桜姫の色香に迷って破戒堕落して殺される清水寺の僧、伝説の“清玄”(男性)というのから派生したキャラクターで、しかも女性なので「女」ってわざわざついている。どんどん恋煩い(?)で狂ってゆくさまが美しいのです。突っ伏す仕草おおいし。

現代でいうなら、よしながふみさんの漫画『大奥』みたいな手法だとおもって頂ければいい(たぶん)。



そのへん、四世鶴屋南北の得意技(?)なので、なんかいろいろ要素てんこもりです。題名は隅田川だけど、いわゆる『隅田川物』の要素は一部分に過ぎない。
必殺技名=ないまぜ。
ちなみに今回は、国立劇場が昼夜二回公演の日を所望されたため、おもきし通しで演る予定だったのを、急遽減らした(福助さん談)そうだ。

作者は福助さんをはじめて観ました。(主役で)

ほおお。これが福助さんかぁ。
幼少時に上方から江戸へ下り、超絶美形の花形スターとして江戸庶民から絶大な人気を誇った、あの福助さんかぁ。(それは幕末期の1860年に四代目中村芝翫を襲名した初代中村福助の方。あまりの人気でほかの役者を全員落ち込ませたらしい)

いやぁ、おなつかしい! (江戸末期の書物の世界と現実がごっちゃになっております)

それにしても、清玄尼(当代中村福助さん=九代目)せくしーですな。せくしー。尼だけど。
可憐な妹・桜姫(中村児太郎さん。福助さんの御子息)と好対照。
それに、腰元関屋(坂東新悟さん)もよかったけど、新造采女(中村芝のぶさん)もきゃわきゃわ♡ 

そうだ。歌舞伎の花道は役者だけでなく、船も通るんだぜ。という話を小耳にはさんでおりましたが、ほんとうに通った。舟。

アフタートークは舞台お衣裳のまま役者さんたちが椅子に腰かけてお話されたのですが、桜姫(中村児太郎さん)が地声で話し始めると、会場がどよめいた。すでに腰元関屋(坂東新悟さん)が地声で話して驚いていたにもかかわらず、それ以上に動揺していたところを見ると、やっぱり歌舞伎の観客にとってお姫さまは別格の存在なんですな。
お衣裳も腰元関屋よりお姫さまのほうがおひいさまな艶やかなお衣裳だしね。そのお衣裳や鬘、セット?について福助さんが説明されました。
関屋が「何度も観にきてほしい」と何度も言っていたのが印象に残った。若手のなかの若手にそう言われると退役兵はそうかい♡ そうかい♡ と行きたくなってしまうのだが……すまぬ。関屋!

今回はこのアフタートークのほか、花形若手俳優との撮影会も開催。なんとか敷居を下げようと努めているのが伝わってくる。


ところで、計1時間強ある休憩時間にひとりでなにをしていたかと言うと、

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助六寿司などをむっしゃりし(大劇場は食べるところ飲むところ充実しています)、おみやげものを覗き

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九代目團十郎などの胸像を眺めたり、飾ってある絵画を眺めたり、表の桜を眺めたり

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絨毯の青海波の数を数えたりしていました(不審)

半券で再入場可です。

歌舞伎にしては一等9200円~3等席1500円とリーズナブルでしたが(たぶん)、それでも1等席は当日券出ていた。廉価な席から売り切れるのは席数の関係もあるけど、ふだんも最後まで売り切れないもんなのかな(くわしく知らぬ)。5時間でも観飽きない内容だったから、もったいないとおもうの。作者は定番の演目だとおもって観に行ったんだけどね。スタンダードがよくわからぬ。個人の嗜好だけど、泥眼すきだし、狂女すきなのにな。もっとすっきりサッパリ切った張ったのが人気なのかしら。鏡山物(お家騒動)の要素入れ込むんなら、もっとがっつり入れてくれたほうがわかりやすかったとおもうけど。さらに長くなるけど。

丸一日居てみたいもんだ。

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千代田区隼町=国立劇場の庭先に在住のスズメ。世が江戸時代なら鳥さし(御鷹匠の鷹の餌になるスズメを捕まえるのが仕事の役人)にさされていたよ、きみ。現代でよかったね。

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