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2013年5月11日 (土)

平成25年明治座5月花形歌舞伎

東京・人形町にある明治座に五月花形歌舞伎を観に行ってきました。

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手染めの幟と新緑                 浜町センタービルも足元は芝居小屋感あり

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明治座140周年バージョンのロビー         歴史をパネル展示&画

写真だとゴージャスなシャンデリアかなにかに見えますが、ひとつひとつ花びらの形をしています。
満開の桜なんだとおもう。正面も桜紋だったし。

よく見たら「隅田川の川面に映る桜をイメージした明治座ロビーのシャンデリア」と書いてあった。
やっぱり自慢なんだな。

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場内は「なんだか立方体っぽいな」という印象(建物は1993年開場の20年もの)

お客層:50~60代 男女比2:8
女性が圧倒的に多い。和装の方もそこそこおられる。洋装の方もそれぞれオサレされている。ふむふむ。
客席は9割方埋まっているものの、まとまった歯抜けが一等席(12600円)あたりにちらほら見える。やっぱり数が少ないけどリーズナブルな席から売り切れるもんな。実は全然よく見えないけどな(オペラグラス必須)。
ちなみに1席単独で空いている場合は、売れ残りか個人的な病欠か急用だとおもうの。
でも列でまとまっている場合はチケット販売システムのやりくりの問題だとおもうの。

(歌舞伎に限らず、たいてい主催者や後援会やファンクラブを通して購入できる席とプレイガイドなどで購入できる一般席=ビジターいちげんさん的ななにか? というのはゾーンで分かれている。貸切公演でもなければ。プレイガイド表示ではソールドアウトしていても、実際に劇場に行くとものすごくイイ席=前方なので目立つ。がまとめて空席だったりする。ほかにも予約だけして受取しない当日現れない不届き者=キャンセルとか、チケットオークション転売業者がまとめ買いした挙句さばけなくてチケット売り切れなのに当日空席があるとか。運営的には空席分も利益があがっているのかもだけど。悪目立ちしている空席があるたびにチケットオークション業者の廃業を祈り、色々かったるい気分になる。関係者席の可能性もあるけど。おれ関係ねぇから知らぬ)

夢のない話おしまい。話題を変えよう。

こうやって劇場におられるたくさんのウキウキした女性たちを見るたびに思い出す節があります。

「あねさん道楽なんじゃいな、芝居にコンニャク、芋、かぼちゃ」

たぶんコレ↑歌われてから200年くらいたっているっぽいけど、いまだにあねさんの道楽=芝居なんだなー。という感慨。
そういえばこの日、祝日だったからファミリーがいるかと予想していたけど、ちびっこほぼいない。たぶん片手で数えられるくらい。おじいちゃん&おばあちゃんが「やっぱり疲れるわ~」とあちこちで言っていた。ふむふむ。昼の部(11時開演)から夜の部(16時開演)までずっといたのかしら。うらやましいけど、疲れはするだろうね。
そういえば宝塚はママンに連れて来られたっぽいちびっこがけっこういた気がする。そろそろ宝塚歌劇は伝統芸能と呼んでいいとおもうの。うんうん。

またもや話を散らかしてしまった。しまった。話題を戻そう。


夜の部
一、将軍江戸を去る (三部作『江戸城総攻』第三部) 一幕三場
第一場 上野彰義隊の場
第二場 上野大慈院の場
第三場 千住の大橋の場

幕間30分

二、藤娘 長唄囃子連中

幕間25分

三、鯉つかみ(本名は『湧昇水鯉滝』わきのぼるみずにこいたき) 一幕四場
第一場 釣家下館の場
第二場 夢の場
第三場 釣家下館の場
大詰  琵琶湖中鯉退治の場

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5分刻みどころか1分刻みで進行表を提示。しかも定時運行される。日本の鉄道並。(最近の首都圏は過密ダイヤ&直通運転の都合であまり定時運行でもないけど)

明治座は音がよく響く。響き過ぎて、舞台の手前でのセリフと拍子木の音がお風呂ぎみだ。
※「お風呂」という表現はTOMOVSKYより拝借しました。

もうひとつ難があって、客席の音もよく響くのだ。
しわぶきとか、ペットボトルの蓋を開ける音とか、物を落とした音とか、おしゃべりとか。
……この音響効果客席のなかおしゃべりするとは大胆なり。とおもって作者はぼんやりしていたら(おしゃべりな人は声が大きい、という法則があるかもしれない)
近くのおばさまがおしゃべりたちをキッ! と睨みつけた。即、静かになる。
客席でも見得を切っている! (ちがう)
そう、舞台の上は夢の国でも、舞台の下の客席は戦場である。人の世はすべて戦場也。

作者は『戯場粋言幕の外』ファンなので、おれが死んであの世があったら、三馬に話してあげようとおもっております。
「なあ三馬、平成の世の劇場もてんで奇妙奇天烈でおもしろいんだぜ! このゆったりとした幕間はお弁当やあんみつやお豆やおせんべを買わせようって算段なんだ! え? 大江戸の芝居茶屋のがヤバかったって? まじかよ!」
みたいな話をする予定。死んでから。な。


式亭三馬の滑稽本処女作『戯場粋言幕の外』

いいかげん、舞台の上へ視線をもどそう。

で、すこぶる響きがいいので唄と三味線と鳴物と笛がすてき。とても気持ちいい。手前でさえなければ、台詞もよく通ってすてき。
慶喜公(染五郎さん)、おなつかしゅう~! (一橋公に会ったことはないけど)
鉄舟(勘九郎さん)、かわいい~! (ちんまり平伏す姿がクマムシかダンゴ虫っぽい。斬られる覚悟で将軍に一生懸命意見する長セリフの真っ最ちゅうなんだけど。けなげ)
藤の精(七之助さん)、ニコッとした! きゃわ~♡ (※しばらくお待ちください)
観ているこっちが恥ずかしくなるくらい、指先がきれいですな。

「しらうおを5本並べたような真っ白な、ほっそい指」

ってこれのことか~! っておもった。うん。白粉だけど。
やっぱり5月に藤娘(舞台いっぱいが藤棚で藤の枝を持って藤の精が踊る)観たいよな~とおもって来たけど、上演記録見るとそんなに4月5月に限定してやってはいないようだ。そういえば前回10月だったな。

小桜姫(壱太郎さん)、ラブリー♡ なんて可憐なんだ♡ (※しばらくお待ちください)
そして歌舞伎ファンのみなさまはお姫様に甘い。極甘だ! (台詞や仕草に対する反応がぜんぜんちがう)
個人的にどうしても「中村壱太郎の邦楽ジョッキー!」という声が聞こえるんだけどね。(NHK FM番組の決め台詞) 入口とかパブリックイメージって大切。

そして鯉である。
志賀之助=鯉の精=清若丸(ラブりん)は宙乗りに情事? に本水を使って大暴れ、とやりたい放題である。気になったのは鯉(かぶりもの)役のほうである。鯉をかぶり、中腰で水槽のなかを大立ち回り。たいへんそうだ。そして退治される。
ラブりん&鯉はたいそう景気よく水をぶちまけていた。(前列ビニールシートあり)

じつは舞台の床板、ずいぶん黒ずんでいるな~と『将軍~』の幕開きから感じていたんだけど、まさかラブりん&鯉のせいなんじゃ……! どきどき。

《夜の部》だけを観劇する作者のような見方からすると、全体のバランスがとても良かった。
動きは地味だけど、台詞が口語で史実な筋が汲み取りやすい新歌舞伎『将軍江戸を去る』
季節の香りがあり、目と耳に楽しい舞踏『藤娘』
筋立ては荒唐無稽だけどエンターテインメント性の高い『鯉つかみ』
が、それぞれ一幕にまとまっているので(『将軍~』江戸薩摩屋敷の場はカット)すっきりさっぱり楽しんで帰れる。

かえろう。

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公園の武蔵坊弁慶もお元気そうでした


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