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2016年3月20日 (日)

STAP細胞が死んだ理由

STAP細胞について作者は、2014年夏に≪コピペ問題とアサガオの観察日記≫でながなが「どっちでもいい」とゆう見解を書いたんだけど、いまだにどうしてもやっぱり気になるので(無関心なクセして)1番だいじな生物学的側面いがいで日本社会としてSTAP細胞が受け入れられなかった理由をまとめておきたい。

「どっちでもいい」とおもっているのは、たとえば加齢黄斑変性(急激に視力低下し最終的に失明する眼疾患、眼球の光の受け取り手である網膜の変質なため、進行を遅らせるいがいに有効な治療法がない難病)患者の視力が細胞移植で回復したときに「iPS細胞、ちょう助かる~♪」となるわけである。ほかにも疥癬病(ヒゼンダニによって媒介される感染性皮膚病、タヌキや猫が感染すると強いかゆみで徐々に毛が抜け衰弱して死に至る)のタヌキが薬剤投与で治って野生復帰したときに「イベルメクチン、ちょう助かる~♪」となるわけである。その手前の研究段階を門外漢が評価するのは不能だし無意味だとおもう。
それにノーベル賞を受賞したことばかり報道する姿勢は軽薄なイベント化でアレだよね。イベントもいいけど「そこじゃない」感ある。ってゆうか土木利用のために開発した(たぶん)ダイナマイトが戦争利用されて莫大な財産を築いた結果「死の商人」とあだ名されたノーベル先輩のことを思い出すと、イイ意味&価値を見い出されるか、ワルイ意味&価値を見い出されるかは研究本体とは別次元だよね。歴史的にあらゆる善意はあらゆる最悪の結果を招いてきたし。

そうゆうわけで、STAP細胞が(社会的に)死んだ理由を4点挙げよう。


①研究者が若い女性だったから:30%

2016年3月現在、日本の国会議員の男女比は90:1くらい。地方自治体では100:0のところが20%くらいあるらしい。国勢調査によれば日本の人口の男女比は62:65くらいである。民主主義なら女性議員のほうが多くないとおかしい。なんだこの逆転現象は、とゆうかふつうに暮らしているとふつうに実感あるとおもうな、な「評価バイアス」が大きな要因と考えられる。
※ゴールドバーグ・パラダイム=同じ内容の論文に「女性名」と「男性名」の2種類の署名タイプを用意して被験者に評価してもらうと、まったく同じ内容にもかかわらず「女性名」論文よりも「男性名」論文を高く評価する(女性名論文を低く評価する)とゆう社会心理学の実験結果。しかも被験者サイドの性別年齢職業出身地を問わず、広く該当する認知エラーらしい。
もちろん“若い女性”が成功した(らしい)画期的研究だったから脚光を浴び、結果的に論文がヤイノヤイノ精査されハイスピードで疑義があちこちから出されたとはおもう。あれが、鉄面皮で不潔な老いぼれクソじじいだったら、、、細胞の写真は報道されても、研究者本人の写真はあんなに報道されなかったこととおもう。エラー豊漁。

「女を武器に」「女を捨てて」みたいな表現を使うのは男性かマヌケな女だけじゃないかな。人間社会的に女であることは弱点であって(オスに比べて圧倒的に筋肉量が少ない・定期的な排卵および妊娠出産における身体的負担が重い。ただ人類のオスは1年じゅう発情期であるとゆう、ほかの生物種にはないペナルティみたいな負荷があるけど)どの文化圏でも武器になんないよ?

たとえば2000年に発覚した考古学者による旧石器ねつ造事件は、25年間もみんな信じて論文書いて、教科書にも載せてたんでしょ? あれ、研究家がおじさんだったから信じたんでしょ? え、信じてたわけじゃない? 利用してただけ? あー、予算をもぎとるために? ふーん。ぜんいんどうした。

「“公表された臨床研究の多くがまるで信用ならないうえに、医師や医学的ガイドラインに頼ることもできない”(中略)ゴーストライターの存在と製薬会社から研究者へのリベートの問題は、精神医学の分野におけるSSRI研究に顕著であり、ほかの文化圏での販売を正当化するのに用いられたSSRIを裏づける科学は、どう贔屓目にみても疑わしいとされた。(中略)米国精神医学会会長ナダ・ストットランド“現実には誰もがやっている活動に対して、医者だけが堕落しているとみなすのは不公平だ”」


イーサン・ウォッターズ『クレイジー・ライク・アメリカ』(2010年)

【余談】↑どうやってアメリカ(GSKの本社はイギリス)から日本へ「うつ病」が輸出されたのかが描かれているわけだけど、おれはマイク・ミルズが撮ったドキュメンタリー映画『DOES YOUR SOUL HAVE A COLD?』(2007年)=邦題『マイク・ミルズのうつの話』(2013年公開)のほうがすきだけどね。ただDVD化はされていないッポイ。以前書いた記事⇒『マイク・ミルズのうつの話』渋谷アップリンク

イギリスのそこそこ権威ある科学誌の元・編集者が「この10年以上の期間で掲載された論文の半数はゴーストライターが製薬会社からの報酬を受けて書いたものだった」とリークしてモメた気がするんだけど、そんなスキャンダルなかったっけ? じっさいに研究職をしているヒトも「あ~、この実験やりたかった~」みたいのが掲載されると「この実験、どうやってやったの?」みたいな問い合わせを試みたりするんだけど、その後、わりとすぐ論文撤回されたりするらしい。つまり、門外漢の感覚では研究者が実験をしたうえでゴーストライターたちがデータを製薬会社にとって都合のよい曲解に、、、とおもいきや、そもそもだれも実験していない! みたいなシロモノをテキトーに作成し、研究者の署名をもらうの? …………それって、フィクションのこと?

プロスペロー「われわれ人間は夢と同じもので織りなされている、はかない一生の仕上げをするのは眠りなのだ」
小田島雄志訳ウィリアム・シェイクスピア『テンペスト (白水Uブックス (36))

「権威ある」科学誌だって営利企業なんだから、ま、そうゆうことになるよね。「掲載」されたって話半分くらいで読んだほうがいいわけである。
そういえば2013年に日本で発覚した高級レストランにおける食材偽装問題の何年も前に、作者の顔見知りの元・料理人に「なんで調理師免許あるし料理好きなのに辞めてべつの業界で働いてるの?」か訊いたところ、元・料理人「朝から晩まで働くのが大変だったのもあるけど、飲食業界では従業員の無断欠勤&フェードアウトはフツウ、店の経理が売上金を持ち逃げするのもフツウ、料理長が食材業者からキックバックもらうのもフツウ、そんなことで落ち込んでいると毎日店が開かない。フレッシュ・ジュースに砂糖いれるのもフツウ、、、でもフツウだと思えないから辞めたし、もう2度と飲食業界では働かない」と言っていた。2013年までの段階で「フツウ」だと思えない人材はみんな流出した結果、「フツウ」だと思える人材だけが飲食業界で労働していたわけである(個人経営だともっと自由度たかい?)。そりゃ、こうなるわな。

そうすると冒頭で示した「ゴールドバーグ・パラダイム」だって、どの程度信憑性があるのか(サンプル数や文化圏の差異の考慮は適当かどうか)不明になっちゃうんだけども。おれが実際にやったわけじゃないからなー。パラドクス☆


②外見をちやほやされてきたヒトの(無意識の)習慣に呼応する形での(無意識の)論点のスライド:30%

2014年1月の理化学研究所による「STAP細胞発見」のプレスリリースが出たとき、最初に報じられたキーワードは「かわいい」「割ぽう着」「研究室にムーミン・ステッカー」……、え? じゃなくて、すでに万能だっつうiPS細胞とES細胞となにがちがうの? え? 弱酸性液にひたすことで刺激になる? あー、じゃあインスタントに作れるってこと? え? 作製できればすぐだけど、ほとんどの実験が失敗するから1年以上ムダになる? それって実質の作業期間1年以上って表現すべきじゃないの? なんか細胞のそもそものシステムにおける基本概念をぶっ壊しているの? ま、そもそものほうもよく知らんから驚けないけど。この時点から「そこじゃない」感あったかもな。

「あれは新橋か、何処ので有らうと咡かれて、奥様とも言はれぬる身ながらこれを浅からず嬉しうて、いつしか好みもその様に、一つは容貌(きりょう)のさせし業なり」
「浮世に鏡といふ物のなくば、我が妍きも醜きも知らで、分に安じたる思ひ、九尺二間に楊貴妃小町を隠くして、美色の前だれ掛奥床しうて過ぎぬべし、万づに淡々しき女子心を来て揺する様な人の賞め詞に、思はず赫と上気して、昨日までは打すてし髪の毛つやらしう結びあげ、(中略)与四郎が妻の美尾とても一つは世間の持上しなり(中略)表へ出れば、通りすがりの若い輩に振かへられて、惜しい女に服粧(みなり)が悪るいなど哄然と笑はれる」
樋口一葉『われから』(ex.にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

↑激動も激動の明治時代前期に夭折した樋口一葉先輩(1872‐1896年東京生まれ。いまの五千円札すき)の『われから』はエグい。主人公は町(子どものいない26歳の奥様・美人)なんだけど、その母親(名前は美尾・美人)は高望みが原因で夫の与四郎と生まれたばかりの町を捨てて失踪してしまった(作品では直接的に描かれていないが京都に栄転した従三位の軍人の妾となったらしい)。
美貌に生まれる→ふつうに生活しているだけで注目を浴びる→あるいはチヤホヤされあるいは嫌味を聴かされる→過剰に身なりに手間ヒマ金をかけるようになる→ますます目立つあるいは悪目立ちする(※ただし本人は人生のロールモデルがこの1件だけなのでこれがフツウだとおもっている)
とゆう呼応のスパイラルで出現する業をしれっと描いた一葉先輩すてき☆ じゃなくて、研究者の研究内容および論文について話していたはずなのに、なんでいつのまにか研究者本人の容姿が「かわいい」という情報になってしまったのか。また、論文の問題点について話していたはずなのに研究者本人の身なりが「派手」とゆう中傷に変わってしまっていたのか。ただ“世間”の浅薄さだけが諸悪の根源とゆうほど単純でもない。
2014年4月の記者会見(「STAP細胞はあります」発言だけが有名になっちゃった会見)で研究者はガチガチに理論武装してくるのかと思いきや、じゃなくて身なりを整えてきた(理論武装していたのは弁護士)。あと、正念場においては嬉しい時を除いて泣いちゃだめだよね。「泣いてた」ことは記憶に残っても、「なんで泣いてた」のかは思い出されない。涙も破壊力強いコミュニケーション手段の1種だからなー。
ただ身なりを整えた結果(おそらく習慣的に、身なりも破壊力あるコミュニケーション・ツール)、論点はふたたび「真珠のネックレス」「バーバリーのワンピース」へと移る。これも男性研究者だったら、あれはアルマーニのスーツだとかAOKIのスーツだとか、あれはイトーヨーカ堂のスーツだ! なんて話題にすらなんないよね。ネクタイが細胞柄☆、とかのユーモアでもない限りなー。「じゃ、なに着たらよかったんだよ」問題なんだけど、「コミュニケーションをとれない」服装である。コード、マーク、シンボルになりえない衣装、、、まるで旧ソ連で息をひそめて暮らしてた女性たちのような考え方だけど、、、ユニクロか無印良品かな☆


③業務上過失致死:30%
これは研究者本人が「画像を取り違えた」件です。でも、わざとじゃないらしい。じゃ、業務上過失だね☆ でも傷害じゃなくて、致死☆
なんのために論文作成=言語化するのか、といえば伝えるためである。ニュートンが万有引力の法則を発見しても「あ~、なるほど♪」とじぶんだけで納得して発表しなくたってよかったのである。たとえば、おれが「ゲンノショウコ」のことを「八方美人」と勝手に名づけてひとりで勝手に呼んでいても、なにも問題ないのである。
以前書いた記事⇒雑草の名付け親
論文作成=言語化=相手に「AイコールA'」を納得させるのが目的なら、まちがいなく失敗だ。

ハンプティ、ダンプティ、塀の上。
ハンプティ、ダンプティ、落っこちた。
王さまの馬をみんな集めても、王さまの家来をみんな集めても、こわれたハンプティは2度と元へはもどせない。
『マザー・グース』より(ex.マザー・グース1 (講談社文庫)


④制度疲労および欠陥:10%
先月、「特定国立研究開発法人(仮称)」に関する政府法案が提出されこのまま審議がスムーズに進めば5月ちゅうには成立するらしい。「優秀」な研究者を年俸1億円とかで雇用することが可能になるようだ。でもだれが「優秀」さを測るのか。50cmのモノサシしかないところに1m以上あるものが来ても50cm以上の長さは未知じゃないのか。いままでもそうだったけど、結局のところ予算のもぎ取り合戦のために広報および広告代理店に金が流れるんじゃなかろうか、とゆう気もする。「実業の父」渋沢栄一翁(1840‐1931年)が聴いたら、なんて言うだろう。

「コラム:余剰博士問題について(抜粋)
私たち博士は、博士号を取得する過程において知的訓練を積むことで世の中の真偽を見分けたり未来を分析する力が養われる。言い換えれば“生きるための力”が身につく。これは、国民からの税金によるサポートによって身につけた能力だ。この事実に、私たちはおおいに感謝すべきである。(中略)私見だが、救済措置を求める博士たちには、自分たちが“特別な存在”であるという認識が強いように思う。(中略)僕の中では、余剰博士問題やポスドク問題など存在しない。僕も含めて博士は、このようなマインドセットをもった方がよいと思う。ただし、別の観点からみれば、優秀な若手の博士がアカデミアで冷や飯を食べさせられているのも事実である。本来であれば、自分の研究室をもち、世界の第一線で重要な研究成果をだし続けられるような博士が、いつ首を切られるかわからないような状況でポスドクを続けている場合がある。その一方で、研究成果を何年もだしていないにもかかわらず、安定なポジションにあぐらをかいているような教授もいる。」


“クマムシ博士”こと堀川大樹さんによる『クマムシ研究日誌』(2015年)


まとめ(1):どこにも悪意がないらしいことに注目したい
評価バイアスは無意識のシステムなうえ、そうゆうエラーが生じると知っていても止めることはできない。認知心理機能の大前提ルールとして「システムは停止できない」がある。いっそ「いじわるしてやれ~♪」みたいな悪意なら今後なんとかできたかもしれないけど、そうゆう類の行動ではないため今後もなんとかならない。きっとマスメディア関係者(男女問わず)は「じぶんはいいことをしている」と信じて行動していた可能性が高い。ざんねんだよね☆
作者の感覚でしかないけど、研究者本人のミス(タイムマネジメントとデータ整理の甘さ)の影響力を30%程度に見積もりたい。仮に「画像の取り違え」ってゆう致命的ミスがなかったとしても70%とゆう高確率でこの新しい生物学的概念(ちょうぜつ画期的! 同時にうさんくさい)は受け入れられなかったようにおもう。ま、歴史に「たられば」は存在しないけど。

まとめ(2):本人は気づいていないらしい
件の研究者は対人関係と研究環境においてそこそこ恵まれた場所にいたんじゃなかろうか、ついでにそのことにぜんぜん気づいてなかったんじゃなかろうか。天国とゆうのは平和すぎて退屈なので、中にいるヒトはそこが天国であることに気づけないか忘れてしまうようにできている。「天国」の正確な位置を把握できるのは、地獄の住人だけである。互いのルールは相いれない。印象論だけど、インボルブ気質なんじゃないかなー、とおもう(巻き込まれる、巻き添えになる、関係するぐらいの意味で)。人材コンサルとか向いてる。

まとめ(3):がんばっても「チヤホヤ」か「叩く」の二者択一ならもう不貞寝とかでいい
誤解していた言葉②こじらせ系女子≫のときもおもったけど、女の子はもうがんばんなくていいんじゃない? 件の研究者が何%くらいがんばったのかは不明だけど、社会的反応の「そこじゃない」感がずっとひっかかるんだよね。
余談だけど「一億総活躍社会」=世間てきにはイイ意味でカンチガイしているみたいだけど明治政府の「富国強兵」を現代っぽくアレンジしただけじゃない?
↑コレに関連して首相が懇談会をしたらしいんだけど、相手が「非正規労働者」「介護ちゅうのヒト」「20代若者」、つまりわざわざ官邸に招待しないと首相はこうゆうヒトらとおしゃべりする機会ないの? まじか。そこらじゅうにいるのに。ってゆうか、まっさきに40代50代ニートをアドバイザーかオブザーバーで採用すればいいのに。
日本在住の女性はぜんいん直接税タダ、とかのおもいきった(切ってる!)政策でもしない限り、西暦2300年には日本人絶滅である。男性約6200万人だけでかってに戦争してればいいじゃん。あ、おれはもともとメンバーじゃないので☆

「ES細胞の混入」なんてデキの悪いシナリオでも、シナリオ・ライターの描いたとおりに物事(とゆうか人間)は進む。言語(とくに母国語)が認知機能に与える影響力をナメてはいけない。

プロスペローがのべる。
「私の魔法は消えました。
生身の私となりました。
私をここに残すのも、あるいはナポリにかえすのも、皆様次第でございます。ですがお願いいたします。公国をまたわが手にし、罪を許したこの私、この裸島に残るよう、魔法をおかけにならぬよう、どうか拍手の数を増し、自由を与えてくださいまし。
皆様がたのあたたかい、おことばだけがわが救い、それなくしては、私の楽しんでいただこうとの願いもたちまち水の泡。
なぜならもはやこの身には、使う妖精たちもなく、魔法をかける術もなく、絶望のみしかありませぬ。祈りをまつほかありませぬ。
祈りは慈悲なる神々の心に訴えかけるもの。罪の許しを、皆様も祈られるよう、私もこの身の自由を、皆様にお願いします。このように。」(退場)
前出『テンペスト』末尾

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