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2016年8月20日 (土)

クニオ父さんの建築めぐり

クニオ父さんをご存じだろうか。
だれもそんな馴れ馴れしい呼び方をしてない(血縁者のかたは別)のでだれもご存じないとおもう。ので、建築家の前川國男さん(1905~1986年)はご存じだろうか。ご存じのみなさんはもう以下スクロールしないでオッケーです。
ご存じないかたのために、はじめに作者が(あくまでも心のなかで)「クニオ父さん」とかってに呼んでる理由について説明したい。

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ボンジュー☆ モデュロールくんです☆

「近代建築の巨匠」と謳われるル・コルビュジエ(瑞・仏1887~1965年)が183cm(背かなり高くない?)の人体寸法と黄金比を応用した建築基準ヒト型(理論)に「モデュロール」と名づけたことをまず押さえたい。
でもって、テレビ東京で2000年から放送ちゅうの30分番組『美の巨人たち』(いまも放送してるのいま知った。作者が視聴してたのはEPSON提供期)で建築を紹介する回に顔まで覆う全身黒タイツの「モデュロール兄弟」(じっさいは役者さん&声優さん)とゆう架空のナビゲーター2人組が登場するのだが。
「やだ、モデュロールくんがコルビュジエ父さんの建築や世界の有名建築のなかをウロウロしてる! きゃわ~♡」
とゆう映像になっております。



そうゆうわけで(?)モデュロールくんたちにならって、建築めぐりをするときは建築家を「○○父さん!」とおもってウロウロするととても楽しいので全員、父さんと(あくまでも心の中で)呼んでおります。
だから、ル・コルビュジエのパリのアトリエに1928~30年まで2年間在籍した弟子の前川國男さんももちろん「クニオ父さん」呼ばわり! たのし☆ (※テンションがあがっております)

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日本唯一のコルビュジエ建築・上野公園の国立西洋美術館(1959年)は17作品群のひとつとして世界文化遺産登録決定! の、おむかいにある東京文化会館(1961年)はクニオ父さん建築♪

コルビュジエ父さん唯一の来日は1955年11月2日~9日までの8日間だけである。なので国立西洋美術館は弟子であるクニオ父さん(1905~1986年)、坂倉準三父さん(1901~1969年)、吉阪隆正父さん(1917~1980年)が実施設計された建築だ。
つまり台東区・上野公園内で国立西洋美術館、東京文化会館(1961年)、東京都美術館(1975年)、国立西洋美術館新館(1979年)をグルッとめぐるだけでもうオッケーなのだ(ぜんぶ近距離だし)。

今回はすでにちょう有名な上野公園内は除いてクニオ父さんの4建築をめぐります☆


①旧・前川邸(1942年・1996年移築復元)
もとの所在地・品川区/地上2階/木造

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都立小金井公園内にある江戸東京たてもの園(入口は旧・光華殿)   チケット(400円)も前川邸推し(?)

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南側、ポイントである独立柱が樹木にかぶってる      北側の曲がり玄関に「前川國男」表札

このグルッと回る動線(余韻)がクニオ父さんらしさ、だとおもわれる。しかもクニオ父さん家、履物を脱いでお邪魔できます。やったね☆

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窓ばっかり見てた                              

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開口部もじろじろ見た

戦時統制下&物資制限により切妻屋根を支える丸い棟持柱は電信柱を運んできて立てたそう。それで円柱なのか(ちがう)。神明造=伊勢神宮を意識した構造らしい。それで親近感あるのか。

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水回りのタイル使いがキュート

なにしろ1度解体(部材のみ別荘に保管)されていたため再建時には資料と記憶をすり合わせたらしい。

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横顔は完全に伝統的日本家屋

盛夏のお昼間にもかかわらずヒグラシが鳴きまくってた。周囲より涼しいのかもしれない。


②MIDビル(1954年)
所在地・新宿区/地下1階地上3階/RC造コンクリート打放し
※RC造=鉄筋コンクリート構造

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外堀通りから路地を入ると角に道しるべ

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前川建築設計事務所(ほかにも入居されています)

このへん閑静だし現役なのでソーッと見てソーッと撤収☆ 路地の入口からでも「お、あそこにけっこう古いキュートなビルがいるぞ☆」とゆう感じで好印象である。


③紀伊國屋ビル(1964年)
所在地・新宿区/地下2階地上9階/SRC造磁器質タイル現場打込み
※SRC造=鉄骨鉄筋コンクリート構造
※磁器質タイル現場打込み=1300~1400℃で焼成した磁器質タイルにあらかじめ釘穴付き土台をつくっておき現場で釘固定&コンクリート流し込みを行う外部仕上げ手法。従来のモルタル接着工法に比べタイルが剥離せず白華せず耐久性のある壁面が得られる。

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紀伊國屋書店新宿本店                           よく見たら看板ボロボロだった!

無意識に利用しすぎてはじめて「建物」として見た気がする。しかたない、ここの居心地のよさはクニオ父さん仕込み☆

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抜け裏(紀伊國屋名店会)を通って裏側から見あげると簡素な外壁    新宿駅地下道とのつなぎ目はこんなかんじ

ここにはいい思い出しかないな。


④国立国会図書館新館(1986年)
所在地・千代田区/地下8階地上4階/RC・SRC・S造炻器質タイルPC打込み
※S造=スチール構造
※炻器(せっき)質タイルPC(プレキャストコンクリート)打込み=陶器と磁器のあいだ、半磁器とも呼ばれ1100~1300℃で焼成される炻器質タイルをあらかじめコンクリートと躯体化させた部材を現場で組み立てる工法(たぶん)。炻器は堅牢で耐水性がある(ex.備前焼)。

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生い茂る樹木で見えないけど白い左手が本館、青い右手が新館          通用口がラブリー♡

ちなみに国会図書館本館(1961年)はMID同人(前川國男事務所の建築家グループがコンペ当選)による建築なのでクニオ父さん関係あり〼。

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新館はこっちの青いほう                         担当建築家の提案「夜明け前の空の色」が採用されたそうです

クニオ父さん最晩年の建築である国会図書館新館の担当だった中田準一さんによれば「1965年頃、前川は、入ったばかりのフレッシュマンだった私に向かって『近代合理主義建築を目指して船出したが、その船をどこにつけてよいかわからなくなった』と言っていた。」

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ドバトが飛び降り自殺を……! とおもったら滑空しただけだった

「夜明け前の空の色」タイルをぼんやり眺めてたらドバトが飛び降り自殺(?)しようとしたのであ! とおもいきや、、、鳥でしたね。無事でした~。

数時間でめぐれるこの4建築だけでクニオ父さんの40年代、50年代、60年代、80年代の変遷を楽しめるうえにMIDビル以外は中まで出入り可能☆ 本を買ったりカレー食べたりすると吉☆
作者ははじめ、JR中央線を西から東に5件めぐるルートを考案してて、
武蔵小金井駅(江戸東京たてもの園の旧・前川邸1942年)⇒阿佐ヶ谷駅(杉並区・阿佐ヶ谷テラスハウス1958年)⇒新宿駅(紀伊國屋ビル1964年)⇒四ツ谷駅(MIDビル1954年)⇒東京駅(東京海上日動ビル1974年)
これで「一筆書き」だな! ←クニオ父さんのキーワード
と目論んでたら阿佐ヶ谷テラスハウスは2013年に解体されてた。おおぅ。
じゃあ東京海上日動ビル1974年もナシにして国会図書館新館1986年に変更☆ とゆうわけで70年代の建築が抜け4件に落ち着いた。
ご存知ないかたのためにお知らせすると中央区八重洲にあった旧・日本相互銀行本店(1952年)は2008年解体、中央区京橋にあった旧・蛇の目ミシンビル(1965年)は2009年解体されました。


このみ:1番すきなのは神奈川県立音楽堂
そうゆうわけで横浜市中区役所(1983年)をゴールにするルートもチラッと考えたんだけど、また次の機会に☆ (※建築めぐりはうかうかしてると解体されるので注意)

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神奈川県立図書館音楽堂(1954年/所在地・横浜市西区/地下1階地上3階/RC造一部S造打放しコンクリート・穴あきブリック・PCかき落し)のホワイエ

野良ケープハイラックスに生まれ変わってここに棲みつきたい(きぼう)。ちなみに2017年度ちゅうをめどに休館&改修工事が予定されてます。

このみ:1番行ってみたいのは熊本県立美術館
熊本城公園内に天守閣の「主/従」として設計されたとゆう県立美術館でも4月の地震で収蔵品&展示品の損傷被害が1億8700万円、「建物の一部にもひび」……一部ってどこだろう。心配だ。ちなみに「順路案内板」「室内くず入れ」「屋外灰皿」「屋外ベンチ」などの家具まで(昨年度から複数年に分けて改修工事ちゅうなので家具類もすでに使ってないかもしれないけども)クニオ父さんファンは要チェック☆ もうすぐ40周年の熊本県立美術館に(行ったことないけど)エールを送りたい。
熊本県立美術館(1977年/所在地・熊本県熊本市/地下1階地上3階/RC造炻器質タイル現場打込み)


おまけ:建築界は父さんだらけ

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新宿駅西口広場&小田急百貨店新宿店(1967年)

クニオ父さんと同じく「コルビュジエの弟子」と呼ばれる坂倉準三父さん(1901~1969年)といえば新宿駅西口だよね。改修後、噴水が緑地化されなぜか滝(写ってないけど)が設置された。
突然だけど1979~1980年に日本テレビで放送された『探偵物語』の第12話「誘拐」劇ちゅうで松田優作さん(探偵・工藤俊作)がここの地下ロッカー⇒地下駐車場⇒スロープ(※車道)を大金&銃を持って逃げる犯人を追うシーンがすきです。




まとめ:もういない父さんたちとだれかがつくった街のうえで生活しています
コルビュジエ父さんにしろクニオ父さんにしろ、こんなふうに建物をキャーキャーありがたがられる(?)日が来ることを望んでいたとはとうてい思えないけどね。

「君ね、美しく年を重ねるのは難しいよ。死ぬのが怖いんだよね」

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