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2020年5月24日 (日)

腰痛持ち&股関節痛持ち&結核病みの女の子たち

急に大量のアニメをみた結果、気になったことがある。
アニメが描く女の子たちって、こんなに反り腰&O脚もしくはX脚だったっけ?

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左は反り腰っぽいライン、右まで行くと赤ちゃんのお尻っぽい、そしてどちらも巻き肩

近年(2010年代以降)に限った人体表現ってわけでも、日本のアニメーションに限った人体表現ってわけでもないだろうけど。
こんなに反り腰・O脚・X脚だらけだったろうか。流行? トレンド? おれの知らない元ネタ作品があるのかな。
3年前にも書いたけど(2017年の記事⇒ザヒアの反り腰)、反り腰ってデンジャラス☆ きっと腰痛持ちだろうから、サロンパス貼らな。O脚・X脚だと股関節痛や膝痛もプラス☆ 長時間は歩けそうにない。整形外科か理学療法士を頼るのがいいとおもう。

O脚(内反膝):膝が外側を向いて湾曲し、くるぶしを揃えても両膝が接しない。骨盤は後傾し、腰回りが常に後ろ方向に引っ張られてるような状態。お尻のなかにある梨状筋群は硬く緊張、太もも内側の内転筋群は筋力不足。変形が進むと、膝の内側に痛みを生じやすい。とんび座り姿勢が苦手。
X脚(外反膝):膝が内側を向いて湾曲し、両膝を揃えるとくるぶしが接しない。骨盤は前傾し、腰回りは常に前方向に引っ張られてる状態。太もも内側の内転筋群は硬く緊張、お尻の大殿筋や腹筋は筋力不足。変形が進むと、膝の外側に痛みを生じやすい。あぐら姿勢が苦手。
※単純に姿勢が原因の場合。内分泌性・骨系統・神経系疾患や靭帯の異常・外傷が原因の場合は上記にあたらない

たとえば骨の壊死⇒股関節痛⇒かばって歩く、結果の歩容異常もあることを付記しておきたい。
特発性大腿骨頭壊死症:大腿骨の先端にある骨頭で血流が途絶えて壊死した状態。壊死した部分がつぶれると強い痛みが生じ、股関節痛により逃避性跛行を呈し、進行すると立ち上がれなくなったり歩けなくなったりする。ステロイド使用やアルコール多飲歴が関係するが、危険因子が何もない場合もある。

で、最初は子ども(少年少女)を描くのに、ボディの奥行きを薄くして筋力不足にすると「らしく」見える、からの~、反り腰&O脚もしくはX脚なのかな、と思った。でも、およそ7歳で下肢形態は成人(約4°の外反)になるそうなので、8歳以上のキャラクターでは特にそうする必要もない。
※骨格・成熟速度はかなり個体差があり、また正常変異(normal variant)や病的意義とゆう概念も押さえておくのがベターです
つまり、8歳以降でも極端なうちわ歩行(内股歩き)が見られ、転倒が繰り返される場合は整形外科へ☆ (ちがう)

イラスト等で赤ちゃんを描くときに「生理的O脚」に描いて「らしく」見せることがあるんだけど、実際のところ赤ちゃん全員がO脚ってルールじゃない。その上、今年2月に、あのO脚はビタミンD不足が原因とゆう研究結果が発表された。
☆順天堂大学プレスリリース・2020年2月4日付け『世界初!よちよち歩きの赤ちゃんのO脚の原因を解明』(論文はCalcified Tissue International.2020年2月号掲載)1歳半から2歳ごろまでの赤ちゃんに見られる「生理的O脚」がビタミンD欠乏と関係してることを研究☆
・完全母乳栄養(母乳のメリットは免疫物質やスキンシップ等、デメリットは粉ミルクと比較してビタミンD・ビタミンKが少ないこと)
・乳製品・卵アレルギーによる除去食
・日焼け止めクリームの使用
等の要因が重なるとビタミンD不足により、くる病とまでは行かなくても骨の発育不良でO脚になりやすいそうだ。
※くる病:ビタミンD欠乏や代謝異常により生じる骨軟化症。日本では15歳以下のくる病が増加傾向⤴
予防①適切な日光浴☆
予防②紅鮭・サンマ・イワシ・シラス・干しシイタケ・チーズ・肝油ドロップなどを積極的に摂取☆

みんな、骨マニアになあれ♪

話を戻すと、疾患・病人とまでは行かないけど、不健康・不健全・体調不良・運動不足のヒトをわざと描いてるってことだろうか。
2015年頃、「病弱メイク」または「病みメイク」「うさぎメイク」「色素薄い系メイク」と呼ばれるメイクの一形態が生まれた。いまでも恐らく、一部地域の未成年あたりで人気があるかもしれない。
作者は、1周まわって若者どものセンスがおかしくなったのかとおもった。正気か、かえってこーい! とゆう気持ち。いや、病弱を装うメイクって、ネーミングがよくない。おれ、食べ物に「病みつき」って使っちゃう感覚にもドン引きしてるのに。「病弱」ってゆうか、陶器のような色白セミマット肌人気をベースに、さらに血色や表情(平行眉)を極力抑えて「か弱く儚げな雰囲気」を目指してるとかなんとか。
うん、それ、お人形=ドールメイクだね。日本にあったよ、ずっと。生身じゃなくなりたいんだろうな、とおもう。流行中心地も未成年あたりだし。病弱メイクじゃなくて、メンタルが病的☆

O脚やX脚の女の子たち(キャラクター)は作品受け手の「か弱い願望」の潮流に呼応するものなのだろうか。うーむ。



とりあえず5種類の仮説を立てた。

仮説1:描き手ご本人が反り腰&O脚もしくはX脚の可能性
人体表現でベースになるのはご本人のボディかとおもう。ご本人の体型・姿勢なら納得である。漫画家さんの職業病は腰痛&骨粗しょう症だときいた。アニメ制作陣も同様かもしれない(超長時間屋内でデスクワーク)。さらに運動不足だと、歩くことによる足底圧力が足裏から爪に加わらず、足指が巻き爪になったり偏平足になったり⇒歩くと痛みを感じる⇒ますます歩かない⇒足および脚の変形⇒エンドレス悪循環☆

作者が反り腰&O脚もしくはX脚の描き手で、まっさきに思い浮かぶのは漫画家の市川先生とフジリュー先生だ。


市川春子作品集&『宝石の国』&イラストレーションブック

ただ、市川春子先生が描くファンタジー作品に登場する「女の子」は人間ではないことも多い。ヒト型のなにか別物である。きっと関節とか内臓とか組成とかホモ・サピエンス(現生人類)とは、そもそも造りがちがう。にしても、極端な反り腰で前重心でO脚におもう。動作途中のポーズではなく、プロポーションとして。となると美的嗜好理由のほかに、仮説1が思い浮かぶ。

仮説1‐1:市川先生ご本人が反り腰&O脚の可能性

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左は藤崎竜『封神演義外伝~仙界導書~』2018年に登場する妲己(中身は楊戩)のシルエットおおよそ。
右は黒田清輝『智・感・情』1899年の中央「感」のシルエットおおよそ。1900年パリ万国博覧会に出品された、日本人モデル最初の裸体画といわれる作品。……どちらも作者の力量不足で、元絵から離れてしまったがそこは置いといてもらいたい。
注目は、太ももの隙間のネガティブ・スペースである。
左は股下に逆三角形のネガティブ・スペース、右は膝上に楕円のネガティブ・スペース。左は妲己先輩の下腹部が短く見えることも合わせると、かなりの反り腰=骨盤前傾の姿勢である。脚を揃えて立つと太もも内側には薄筋・大内転筋・半腱様筋があり、シートベルトみたいな縫工筋が回り込んでるため、やや凸っとする。そこに光が差すには骨盤を下向きに近い前傾をさせる必要があり、角度は四つ足の動物に近い。下半身は四つ足で上半身は正面向き……、ケンタウロス? (ちがう)妲己先輩はそもそも妖怪仙人だしいいんだけど、人体描写として比較すると日本で約120年のあいだになにがあったんだろうとおもう。


『封神演義』コミックス2巻・文庫版11巻の表紙を振り返っても、妲己先輩は極端な反り腰&X脚に見受けられ、外伝中ではとんび座りも披露☆

仮説1‐2:フジリュー先生ご本人が反り腰&X脚の可能性

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モディリアニ『白いクッションに横たわる裸婦』1917年の簡略図by作者

西洋伝統の「誘惑ポーズ」裸婦像のなかでも、造形美に特化したモディリアニ先輩の作品。注目はやっぱり股下に逆三角形のネガティブ・スペースがあるけど、すごく無理を感じるボディ角度。どうポージングしたら、こうゆう風に見えるだろうか……、キュビスム?

仮説1‐3:股下に逆三角形のネガティブ・スペースを描くヒト全員がモディリアニ・ファンの可能性?


仮説2:人体モデルご本人が反り腰&O脚もしくはX脚の可能性
専門職である美術モデル、ポーズ取り協力者(関係者)、参照した映像の中のヒト、かってに観察した街中を歩くヒト、デッサン用可動フィギュア、3D人体モデルソフトなど、元になったモデルご本人の体型なら納得である。みんな日光浴不足?

仮説3:市中に反り腰&O脚もしくはX脚がありふれてる可能性
仮説2とも重複するけど、デッサン元である実在の人体どもがそうゆう体型・そうゆう姿勢・そうゆう歩容なら、描かれたヒト型キャラクターも同様になるのは納得である。みんなビタミンD不足? 運動不足&筋力不足?

コスプレ非推奨のうちわ歩行といえば、筆頭は『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか14歳さんかとおもう。紅鮭と干しシイタケを差し入れせねば☆

『魔法少女まどか☆マギカ』2011年

だけど逆に、例えばデザイナーさんが、男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手(1987年生まれ)ファンで、ちょう広い関節可動域のノールをモデルに描いた結果のX脚ポーズだってゆうなら、、、しかたない☆ あんなスライディング・ショット打って足くじかないヒト、そうそういないとおもうけど。内側に足&脚をかなり旋回できるからって、運動不足とも限らないよな。トップ・アスリートの可能性☆


仮説4:反り腰&O脚もしくはX脚をよかれと感じる美的嗜好の時代(300年間の途中)
受け手である少年少女(もしくは描き手の大人)の持つ「か弱い願望」流れで、筋力不足な女の子が量産されてる可能性は先述したけど、美術史における造形伝統のトレンドの繰り返しについても思い出しておきたい。雑に説明すると「キリッ」期間のあとに訪れる「ぐにゃり」期間である。
例1:紀元前480年~前323年頃ギリシャ・クラシック期⇒紀元前334年~前31年頃ヘレニズム期
例2:16Cルネサンス盛期⇒16C末~18C初頭バロック時代
100年単位・300年単位の歴史を一言でまとめると、端正⇒奔放、のトレンドの揺り戻し、価値の反発反落。「キリッ」人体表現が頂点を極めたあと、腰は「ぐにゃり」と折れ曲がり、恍惚の表情を浮かべ、ドラマティックなポーズで時を止める。その点で19C⇒20Cの流れに区切りをつけるとしたら、新古典主義⇒ロマン主義→新即物主義→現在、みたいになるんじゃないか。いろんなヒトが膨大な試行錯誤をした気がするけど、実は相変わらずドラクロワ(1798~1863年)後、ロダン(1840~1917年)後の200年続く「ぐにゃり」期ひとくくり途中でしかないのかもしれない。
で、日本である。日本で「美人画」が成立したのは17C半ばを過ぎてからで、寛文年間(1661~1673年)に寛文美人または一人立美人と呼ばれ流行したそうだ。かなり最近で歴史が浅い。それまで日本美術史≒仏教美術史だったし(雑な説明)。場面カットは共通する「垣間見」ポーズで無防備さのある「ぐにゃり」……あれ、日本の人物描写に「キリッ」期間あっただろうか……、まさか、17Cからこのかた「ぐにゃり」期間継続ちゅうなのか? 西洋史の「キリッ」「ぐにゃり」転換タイミングの一要素に「大衆化」があるんだけど、日本の美人画はずっと大衆向けだったので、結果ずっと「ぐにゃり」ちゅう? そうなるとアニメが「ぐにゃり」なのは自明の理?

「(中略)そのうえ、読者の少女たちは勝手だ。精神面だけじゃなくフィジカルも描いて、と言いつつ、露骨な表現には本当に厳しい。うまく描かなければとことん批判される。/生身の肉体を少女は愛さない。少女が愛する人形が生身とほど遠いことや、少女マンガに描かれる少女が体重を感じさせないのもそのせいだ。でも私は、生身の肉体が発する体温や、つないだ手と手に伝わる力が本来の人間らしさだと考えていて、好きだった」(うろ憶え)

竹宮惠子『少年の名はジルベール』2016年

少女マンガにおける上腕二頭筋・三頭筋や腓腹筋・ヒラメ筋の存在感のなさは、描き手の審美眼や力量ではなく商業主義ゆえ、受け手の美的嗜好ゆえだったらしい。少女マンガが描いてるのは人間ではなくお人形で、少年マンガが描いてるのは人体ではなくフィギュアだったのか。それにしても、そもそもなんで「生身」を愛さないのか。人形浄瑠璃における人形×観客の関係性とおなじ心理構造なのか。


仮説5:靴のチョイスに問題がある可能性
単純にハイヒール履いた結果の反り腰&O脚もしくはX脚かもしれない。

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左はディックス『大都会』1927・28年の3幅対の中央部分より、ダンスを踊る娼婦の足
右はベントン『地下鉄のある都市の活動』1930年(連作壁画「今日のアメリカ」10点のなかの1点)より、地下鉄乗客の女性
簡略図by作者

オットー・ディックス(Otto Dix・独1891-1969年)新即物主義・真実主義・魔術的リアリズムと評される、ドイツの知名度99%・日本での知名度0.1%な画家。『大都会』では派手な娼婦たちが、両足を失った傷痍軍人と対比される。
ベントン(Thomas Hart Benton・米1889~1975年)リージョナリズム(地方主義)の代表的画家・音楽家。連作壁画『今日のアメリカ』をはじめ、労働者に焦点を当てた作品を描いた。

どちらもハイヒールのパンプスを履いて仕事した結果、極端な内股歩きと反り腰スタイルになってる。ハイヒールでの仕事はおすすめじゃない。
事典におけるハイヒール項目を参照したい。
「ハイ・ヒール(high heel):7cm以上の婦人靴のかかとで、ドレス・アップするときに用いるパンプスや、サンダルにつけられる。背が高くなり、スタイルがよくなるが、歩行用には向かない。」

文化出版局『ファッション辞典』1999年

せっかくなので、もう1度いおう。「歩行用には向かない。」! 
じゃあ、なんのための、どこで履く靴なのかといえば、たぶん写真撮影用の室内履きである。
かつてルイ14世がイアサント・リゴー『ルイ14世の肖像』1701年において、赤いハイヒールを履いて足の長さを強調した。そんなに短足を気にしてたんか、とおもう。見栄っ張りなルイ14世の呪縛が300年も続くなんて。



懸念:描いた病気に罹患した描き手たち

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#美術史上3大結核が心配な美女のみなさんby作者
左から:
モディリアニ『黒いネクタイをした女』1917年
ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』1485年頃
竹久夢二『黒船屋』1919年頃

美術医者「抜けるような白い肌、こけた頬、けだるい表情、筋力不足で両腕の重量に耐えられず極端に下がったなで肩、やせた身体……、これは、結核ですね☆」

モディリアニは結核性脳膜炎で死去・享年35歳。翌日妻ジャンヌ投身自殺・享年21歳。モデルの女性は髪型でいえば『赤い裸婦』1917年に見えるが結核だったかどうかは不明。
ヴィーナスのモデルはシモネッタ・ヴェスプッチでこの画が完成する前に結核で死去・享年23歳。ボッティチェリ先輩は「フィレンツェとともに死んだ画家」とも評され、晩年の生活や死因は不明。
黒船屋のモデル笠井彦乃は結核性腹膜炎で死去・享年23歳。1934年には夢二も結核で死去・享年49歳。

結核は感染性があるのでモデルが結核なぐらい市中蔓延→描き手本人も結核リスク高い、だけといわれればそう。



まとめ:痛そう
骨格は個体差が大きいものなので、正解なんか存在しない。機能に問題なければそれでいいのである。ましてや二次元での人体表現なんて自由でいいし、それぞれ好きに描いたらいい。正確な人体描写を求める気持ちなんてとくにない。それでもノイズのように引っかかるのは、やっぱり人体として「痛そう」におれの目に映ってるからだとおもう。そして、描き手の腰痛&股関節痛をかってに心配してる。

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紀元前2世紀エトルリアのブロンズ像『夕日の影』は18頭身ぐらい☆ (ジャコメッティの元ネタ)

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