2023年12月 3日 (日)

東京大学総合研究博物館『骨が語る人の生と死』

東京大学総合研究博物館の本館特別展示『骨が語る人の生と死 日本列島一万年の記録より』をみに行ってきました。

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年季が入って雰囲気ある、というよりは心配になる方向性の廃墟み

東京大学総合研究資料館は1966年発足、建物は香山壽夫建築研究所設計/SRC造/地下1階地上8階塔屋1階/1983年竣工で40年モノ。この入口が北向きで重厚なせいか妙に薄暗くて静か。お顔はキュート。

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そんな滅亡した国家の博物館跡廃墟に眠る死体をみに来ました(脳内ロマンス)

入館むりょう。日祝休館で貸出中表示があるところが大学である。いわば研究作業の透かし見的施設、、、かな。平日のお昼間は社会科見学ぽい中学生グループとシニア層個人(おれ含む)しかおらず、ゆっくりできた。
入口すぐは学術標本コレクションである。小さな「撮影禁止」マークあるもの以外は撮影可能。縄文時代後期の貝輪や古墳時代の埴輪、昆虫、鉱物、剥製、植物、サンゴ、骨、道具、レリーフ……、亡国最強の死体愛好家集団がいた廃墟さいこうである(まだロマンスつづく)。

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こちらは「チョウ類の全上科・全科/翅の形・色彩の多様性」

なんというか並べ方(分類)が研究脳だよな、と感じながら観覧した。

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画右端はキリンの骨格標本

多摩動物公園に1971~1985年まで在籍したキクタカという個体らしい。キリンは生きてる姿もかっこいいが、死して骨だけになってもなおかっこいい。

2階の海外学術調査エリアは撮影禁止だったけど、シリアの発掘調査等をまとめたスライドも流してた。シリアの土、赤いな。西アジアの政情不安により2011年から中断。で、ネアンデルタール人の頭骨のレプリカが成人と子の2種並べて展示されてたけど、、、大きい。写真や図でみたことあるし容量が大きかったとは読んでたけど、立体を近くでみると巨大だ。奥行きがたっぷり。しかもイケメン(男女問わず、左右均衡性が高い気がすればそれ)だ。絶滅する前にひとめお会いしたかった(´・ω・`)ショボーン

UMUTオープンラボの見どころ:ネアンデルタール人の頭骨のレプリカ(撮影不可)


人類進化学による骨の解読『骨が語る人の生と死』は動物骨格標本群の奥に展示されてた。やー、よかった。張りつきで楽しんだ。
第一部:骨が語る「生」……縄文人のブ太い上腕骨、縄文人の外耳道骨腫、江戸時代の鉄漿跡が残る歯など
第二部:骨が語る「死」……古墳時代の墓室内配置再現、江戸時代の埋葬など
第三部:病との闘い……それぞれ、がん/梅毒のあとが残る頭骨と結核で変形した脊椎骨
頭骨で最も印象に残るのは歯並びである。以前読んだ馬場悠男『「顔」の進化 あなたの顔はどこからきたのか』2021年で食生活の変化で顎が細くなり歯並びが悪くなったと書いてあったやつを流れでみられてよかった。鎌倉時代まで見事に歯並びきれい。江戸時代で悪くなった、といっても現代っ子どもよりよほどきれい。著者の方は約10年前のナショジオで小顔信仰(?)を不安視してたがこの10年で悪化したとしみじみ感じてる。

せっかくなのでおれが思う見どころ4点を挙げたい。

見どころ①縄文時代晩期の抜歯と叉状研歯(さじょうけんし)
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パンクファッションにもほどがある女性の骨。これで歯の神経(歯髄)は避けられているのだろうか。削るときも痛かったろうけどその後もずっと痛かったんじゃないかしら。麻酔ないよな。でも現代人も陰部にボディピアスあけるやついるから(ずっと痛いらしい)パンクスは時空を超えて仲良くなれそう。

見どころ②奈良・平安時代には空ケース
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古人骨の発見例が少ない時期をあらわすためにわざわざ空ケースを展示してた。グー☆ 薄葬思想と火葬の広まりということが書いてあったが、そんな暇も体力もなかったんじゃないかしら。『羅生門』(虚構)時代だもんな。

見どころ③鎌倉時代の箸
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鎌倉時代のひとたちから出っ歯が顕著になる件「箸を使って食事して前歯の咬耗が減ったせい」を示すために若宮大路で出土した木製箸を展示。鎌倉市内で大量に出土するとのことだが粘土層からだろうか。地下水が豊富じゃないと有機物原型をとどめないのに大量か。そしてどういう保存処理をしてるのかも知りたかった。いずれにしろ源頼朝・北条政子夫妻~足利尊氏・赤橋登子夫妻まで鎌倉時代の諸兄姉がむしゃむしゃしたお箸いいな、ほしい。

鎌倉時代といえばまな箸による演舞(?)が武士の嗜みだった時期だけどそちらは出土してないのだろうか。食事用の箸より長かったイメージあるけど(現在の菜箸や盛り箸のイメージ)、一緒くただったのか。宴席の前にかなり練習もしたらしい。けなげ。
小泉和子『道具が語る生活史』1989年による、19世紀に入るとぱったりと使われなくなったという「まな箸」についての記述「当時の祭りは生産の守護神である御食津神(みけつかみ)に生贄を捧げたのち、共同体構成員全員で共食するというものであったから、神に捧げる神聖な生贄を料理する際、人間の手で触れて穢さないために用いたのが最初だったと思われる。ところが、これは中世に入ると一種の芸能に変化する。というのは古代から中世にかけての料理はほとんどがナマで、魚でも肉でも刺身で食べていたため、宴会といっても料理そのものに豪華さはない」そこから室町時代には包丁師の家元制度まで発展したらしい。鎌倉時代の政には箸がだいじ……だったかもしれない。

見どころ④鎌倉時代共同墓地の武器による損傷がある頭骨
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それぞれ刀、鈍器、刃物、槍と推定された傷跡が接合により復元され紙片でマークされてる。かつて「前浜」と呼ばれた由比ヶ浜材木座から大量に出土した人骨のみなさんである。はじめまして! 刀傷があることから新田義貞軍による鎌倉攻めの戦死者かという話だ。鎌倉時代市中で何度も合戦はあったけどお寺の改葬記録等が根拠らしい。となりに経文らしき文字が墨書きされた頭骨片やクジラやサザエもいっしょに。

まとめ:死体をみてると落ち着く
人類進化学者にとって古人骨は労して発掘した資料であり試料だが、一般の現代人にとっては鑑賞対象であり精神安定剤である。ホラー映画に曝露療法と同様の効果がありストレス耐性があがるという研究があった(うろ憶え)。そうは言っても、死臭はおもに嫌気性細菌による生成ガスなので高濃度で吸い込むと人体に有害であり無防備にそこらへんの腐乱死体(人畜問わず)には近づかないほうがいい。しかし埋められ骨だけになり再び起こされ洗浄保存処理され骨片注記から組み立て調査研究された死体なら顔を近づけても問題ない。ずっとみてられる。話しかけたいぐらいである。ねえ、仏菩薩の約束した浄土は見つかった? まさか大学の資料館に収蔵されてこんなに明るい照明を浴びせられておれなんかに鑑賞されて怒ってない? ねえねえ。



馬場悠男『「顔」の進化 あなたの顔はどこからきたのか』2021年


小泉和子『道具が語る生活史』1989年



予告編

2023年9月18日 (月)

鎌倉市鏑木清方記念美術館『清方×文学ー紅葉への憧憬、鏡花との友情ー』

鎌倉市鏑木清方記念美術館で開催中の特別展『清方×文学ー紅葉への憧憬、鏡花との友情ー』でファンアートの傑作をみてきました。

噂は聞いてたけど小町通りの人出すごい。普段ならオフピークタイムを狙うけど、観光客も修学旅行か社会科見学か遠足の子どもも地元住民の方も揃う例大祭シーズンだった。4年ぶりに従来通りの規模だそうでにぎやかじゃないと逆にがっかりだろうしよいと思う。

それにしても、こんな騒がしいところに晩年の鏑木先輩はお住まいだったのかしら? 鎌倉に暮らした1954~1972年はいまほど混雑してなかったのだろうか。

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路地に入ると急に人影まばら

これが雪ノ下の人気の秘密か。

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可憐な作りの美術館入口

鏑木清方(1878‐1972年)、東京神田生まれ。
美術館公式説明「明治から昭和にかけ活躍した近代日本画の巨匠。粋と品格をあわせもつ美人画で知られ、市井の人々の生活や文学に取材した作品も多く描きました。1998年、晩年を過ごした鎌倉雪ノ下の旧居跡に記念美術館が開館しました。」
数多くの門下がいて、最近人気急上昇ちゅう(?)の川瀬巴水(1883~1957年)もその1人。戦中に入っても帝国芸術院会員にもかかわらず美人画と花鳥風月をしれっと描きつづけたひとである。おれ随筆読んだことなかったので読破予定リストに加えておいた。

『一葉女史の墓』1902年をみにいったのである。図版でしか知らなかったけど、あれ、ファンアートの傑作なんじゃないかと急に気がついて。鏑木先輩といえば東京国立近代美術館所蔵が多いイメージあるけど、この作品は鎌倉所蔵である。昨年の没後50年大規模回顧展で出品あったらしい。
もともと『たけくらべ』を暗唱するほど愛読してた鏑木先輩は、泉鏡花『一葉の墓』(1900年)に触発されて墓を訪れた際に美登利の幻を見てスケッチし描いたという。のちにご本人が「私生涯の制作の水上」と言ってたことが嬉しい。
布表現の巧みさ、足元に散らばる落ち葉の透け感(真冬の幻ということ?)、線香から立ちのぼる煙さえ神秘的である。なによりでっかい! 傑作である。大きさは128.7×71.0cmで画面いっぱいに人物を置くと等身大とまでは言わないけど存在感ある。
日本画なのでむろん画布は絹本である。日本に養蚕信仰があることはご存じだろうか。蚕影神社や金色姫伝説とかが有名どころだけど、そもそも蚕農家の担い手(ほぼ女性)たちは蚕を「亡くなった女性の生まれ変わり」として大切に育ててたのである。亡くなった女性たちの生まれ変わりと信じられてきた蚕繭から生まれた絹本のうえに、すでに死者となった一葉(樋口家)の墓と現世に1度も生まれたことのない美登利の姿が描かれてるのである。感慨深いな。

うっかり出品リストもらい損ねたので、うろ憶えで申し訳ないけど他の1枚1枚1筆1筆にも美が宿ってた。美意識の鬼(いや神?)みたいな泉鏡花(1873~1939年)と一緒に仕事してたんだもんなー、鏡花といえば装幀は小村雪岱(1887~1940年)も人気高いし。おしゃれめがねってこうゆうことか(ちがう)。
鏑木本人と泉鏡花が向かいあって『三枚続』の打ち合わせしてる下絵(スケッチ?)もよかった。たしか50代頃の作品で舞を題材にした『布ざらし』の色も吸い込まれるようなみずみずしさだった。
ほかに『金色夜叉の絵看板』1903年や『金色夜叉』『日本橋』挿絵原画(1947年)東京国立近代美術館蔵もほんと状態がきれい。版画下絵の細かい書き込みの文字の流麗さもいい。大満足である。

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画像はポストカード

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仕事場復元は撮影可で中央に「鏡花」染め抜き手ぬぐいが置いてあった

2023年3月22日 (水)

泰巖歴史美術館『家臣たちの戦国時代』

町田駅近くにある泰巖歴史美術館へミニ企画展『家臣たちの戦国時代』をみに行ってきました。

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片流れ屋根の軒ゼロ窓ゼロ亀甲柄建築

展示されてる太陽コレクションは山中泰久代表(町田市内にある不動産住宅建設業・太陽グループの方)が30年以上かけて個人的に蒐集した史料で、信長の戒名「総見院殿贈大相国一品泰巖尊儀」と、「泰」の字が代表のお名前に入ってることもあってつけた館名だそうだ。織田信長コアファンが織田信長が好きすぎて美術館を築城☆ ファンダムの最終形態☆ とかってにしみじみしてる。

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いまからでも入り口にポスター用庇付きフレームを設置したらよいと思う

一般1500円。館内撮影は復元天守・松図を除いて禁止。鉛筆使用のみ可。
1階入口すぐに信長ご本人の肖像画と位牌と刀剣が恭しく祀られてるんだけど、この函は一体……、という豪華な誂え。隣には年譜と生涯全戦闘記録を勝敗星付きで掲示。明確に圧倒的に信長贔屓なのおもしろい。戦国のボンバーマンこと松永久秀は当然のごとく「爆死」と記載される。
2階から安土城天守の屋根部分がみえる(撮影可)けど、熱田神宮の信長塀再現(撮影不可)が地味によかった。桶狭間の戦い勝利祈願成就奉納という点でも、信貞ジジの津島支配、信秀パパの皇居修理費4000貫(現在の4億円以上と推定)献納といった織田家お家芸とも言える財力外交を信長が継承したという点でも重要と思うし、モノとして塀いいな。そばにビデオ鑑賞の椅子がある都合上撮影不可なのかしら。
19分間の映像はナレーション進行ドラマ仕立て。肖像画を所蔵してる信長・謙信・信玄は史料をそのまま使用、それ以外の武将たちはイラストである。クオリティにムラがあるのでもしかして館長自らが描いたのでは……? という絵だった。なにがムラかというと、「これ描いたひと、織田信秀と今川義元と松永久秀のこと、好きじゃないだろ」というお気持ちのムラを感じた。今川と松永は嫌いでもいいけど、信秀パパはいくら史料少ないからってもっと親身に描こうよー、と思った。意外に足利義昭は好きっぽい。イラストレーターの方が描いたのかもしれないけど。みどころ☆
3階はミニ企画展『家臣たちの戦国時代』を含む古文書全般。上杉家か直江家の書状の紙が高級そうなうえに、ゆったりと文字を配置してて「あれ、もしかして超セレブ?」という印象。斉藤道三の書状がメリハリの鋭い神経質な文字で書かれててイメージ通りで見入った。戦国時代だと原則、祐筆(秘書・代書係)が書いて、武将本人は花押(自筆署名)のみだったはずだけど。祐筆たちも重要人物よね。
4階は火縄銃コレクション、水平360度鑑賞できるガラス箱入り甲冑、刀剣、屏風など。
5階は待庵再現に茶道具コレクションと盛りだくさん☆

ランキング形式でお気に入りのみどころを説明したい。

みどころ第3位:火縄銃コレクション
種類別長さ別に取り揃えられてて楽しい。馬上からこれ撃ったりもしたの? 厳しくない? とゆう重量感。記憶違いでなければマスケット銃も展示してあった。長い。暴発事故多かったろうな、とゆう長さ。

みどころ第2位:北条氏康等詠草(1560年)
ミニ企画展『家臣たちの戦国時代』の書状全般楽しかったけど、とくに北条氏の歌会の記録よかった。若き日の北条氏照(第4代当主北条氏政の弟、八王子城および滝山城城主・八王子の地名の由来となった)も参加☆ 1590年には氏政・氏照とも切腹して100年続いた小田原北条氏滅亡だもんな。しみじみ。

みどころ第1位:来国光銘の太刀(重要文化財、在銘は鎌倉末期~南北朝時代)
刀剣コレクションは江戸時代に製作された拵えの豪華さとか白鮫のきれいさとかがもはや見劣りするほどの来派の太刀の輝き! もしも1点だけ地鉄の組成異なるんですよ~、と言われたら納得するぐらい素材感ちがう。おれ、山城伝と聞けば宮中や将軍関係の実戦向きではない優美な姿という思い込みがあったんだけど(時代や流派刀匠によって豪壮な作品あるそうだ)、優美でも豪壮でもなく神聖である。もちろん殺人に特化した武器でまちがいないんだけど。ご神体にするために作刀したのか、それともこのハイクオリティでまさか平常運転なのか……、来派の呪術っぷりこわい。

所要時間:映像鑑賞込みで1時間ちょっと

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ドラマティックな照明に信長愛を感じる

2023年2月18日 (土)

町田市立国際版画美術館『パリのモダン・ライフ―1900年の版画、雑誌、ポスター』

町田市立国際版画美術館の常設展示室ミニ企画展第4期『パリのモダン・ライフ―1900年の版画、雑誌、ポスター』をみに行ってきました。

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1986年8月竣工1987年4月開館の版画美術館はゆったりした距離感が魅力です

建築家の大宇根弘司さんはクニオ父さんの弟子なので(前川國男事務所出身の意)、クニオ父さんの“居心地の良い広場の大きさ”を24m×24m=「人の表情がうかがえる距離だよ」との発言を思い出す。2016年の記事⇒クニオ父さんの建築めぐり
現在の町田市には豚に真珠、猫に小判、宝の持ち腐れ状態になってしまったが。
2022年12月16日付け東京新聞の記事⇒町田の工芸美術館 工事差し止め却下 東京地裁

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入口ボードの事務感も魅力です

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エントランスホールをあがって2階へGO

『パリのモダン・ライフ―1900年の版画、雑誌、ポスター』
100年以上経過してるとは思えない状態のよさ、発色のきれいさ。ポスターマニアたちの静かなファンダムを感じとれる展示となっててとてもよかった。「撮影禁止」マークなければ撮影可だが、展示室は照明を落としてあるのでリマインダー程度の画質となる(撮影は目的じゃないので問題なし)もののとくに印象深かった作品を小さく説明したい。

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アルフォンス・ミュシャのリトグラフ『まじない』1897~1999年月刊発売版画集『レスタンプ・モデルヌ』より

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ポール・セザール・フランソワ・エリューのリトグラフ『版画商サゴのポスター』1900年頃

月刊で版画集が発売されたり版画商の店先に飾ってあるポスターが版画を食い入るように見る女性の後ろ姿だったり……、それは100年前の沼!


企画展示室2の『2022年度新収蔵作品展 Present for You わたしからあなたへ みんなから未来へ』も楽しかった。
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川瀬巴水の木版『霧之朝(四谷見附)』1932年の高潔さ

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吉岡弘昭さんのドライポイント『電柱のある風景』1972年のかっこよさ

ほかにも文月恵津子さんのメゾチントの連作『Phenomenon』2010年のグラデーション、和田誠さんのエッチング『マザー・グース』1992年ハンプティ・ダンプティのかわいさ、草間彌生さんのシルクスクリーンラメプリント(たぶん)の強さなどそれぞれのセンスと技術の高さと技法の多彩さを一堂に味わえて大満足でした。

まとめ:やっぱり限定グッズは作らないらしい
エントランスでポストカードは販売してるんですよ。版画をポストカードで楽しむのは確かに王道だと思うけど、けど、、、、畦地梅太郎プリントTシャツとかミュシャトートバッグとか草間彌生ラメピンバッジとか所蔵品グッズ作ればいいのに……とずっと思ってる。


2023年1月30日 (月)

『藤子・F・不二雄のSF短編原画展』第1期

神奈川県川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムへ『藤子・F・不二雄のSF短編原画展―Sukoshi・Fushigiワールドへの招待―』第1期をみに行ってきました。

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向ヶ丘遊園駅のドラえもん先輩、本日も輝いております♪

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駅前のローソンでチケットおとな1000円を購入

COVID-19流行発生後に入館時刻が1時間刻みになったがシステムは変わらず。たとえば入館指定12時のチケットは当日12時までLoppiで購入可、13時まで入館可。向ヶ丘遊園駅から徒歩16分なのでのんびり歩いても間に合う。

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レジェンドチンプイ先輩とマイチンプイとのツーショット撮影等する余裕あり

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ドラちゃんの手がラブリー☆

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久しぶりでわくわくします♪

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エントランスのヒョンヒョロうさぎにかぶりつき

これでもフィルターを付けて反射軽減したがガラスBOX撮影の難易度が高い。

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しかたがないのでこうなった

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足がキュート♡

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F先生とヒョンヒョロ扉絵ショットも気に入ってる

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カムカムキャット調ドラちゃんが多言語で「ようこそ」と言ってるBOX

⇒4月18日追記
こちらカムカムキャット調に美術館が独自アレンジしたドラちゃんではなく、コミックス第37巻収録『カムカムキャットフード』で元祖ラーメン富士の店主にもらわれた子ネコでした。公式ブログを読んで誤りにいまさら気付きました。謹んでお詫び訂正申し上げます。
おれの脳内でずーっと黒猫だったため全然気づかなかった。読み返したらベタ塗りではなく縦線=ドラえもんブルー色の子ネコ! おしゃれ! でした。ドラちゃん顔の黒猫でも超かわいいと思ってたんだけどね……(未練)
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多言語には宇宙語も含まれる

入館前に大満足でチケット代分の元は完全にとったので帰ろうか迷った。帰らなかったけど。

※撮影NG※
1F展示室Ⅰ特別展示『藤子・F・不二雄とドラえもん』
2F展示室Ⅱ『藤子・F・不二雄のSF短編原画展―Sukoshi・Fushigiワールドへの招待―』
Fシアター:開館10周年記念『ドラえもん&Fキャラオールスターズ すこしふしぎ超特急』

結局のところ、印象が強いのはドラえもんアニメ制作現場(宛名の「柴山様」は芝山努監督だろうか)へのF先生からのメッセージ「ギャグ不足です」「現場頼み」だろうか。ギャグ不足!
SF短編原画展の第1期は『ミノタウロスの皿』(1969年)推しなのだが、終盤まで展示したほうがいいんじゃないかと感じた(見逃しだったら謝ります)。第2期展示予定の『ヒョンヒョロ』(1971年)はぜひラストカットまでみせてほしい。おれの記憶違いでなければ、新宿駅西口地下コインロッカーにしか見えない背景が描かれた『間引き』(1974年)の原画がみたかったが、それはなかった。むねん。
Fシアターは上映を待つあいだに入口デジタルサイネージで流れる歴代ドラえもん映画ポスターがいい感じで、みんなのひろばで流れるアニメOP・EDもいい感じだった。

※撮影OK※
屋上はらっぱ&みんなのひろば

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土管とドラちゃん

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Qちゃんの中身

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植物星大使閣下になる前のキー坊

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ガチャガチャ本体もアイテムもかわい

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ミュージアムショップで兎を探したが、ヒョンヒョロうさぎはトートにしか見つけられなかった……

まとめ:べつに兎推してない
ウサ耳のドラちゃんもかわいいんですよ、かわいいけど……ちがうの。兎年だからって短編原画展だからって、まさかヒョンヒョロ推しでグッズいっぱい作ったりしてるんじゃ……なんてマニアックな……なにしろここが公式だし、と期待して行ってみたが早とちりだった。第1期は『ミノタウロスの皿』推しだし『ヒョンヒョロ』は第2期以降展示予定なの訪問時点で知ってたけど、でもでも兎年だしもしかしたら……、と思っちゃった。勇み足もしくはヒョンヒョロホイホイである。記事執筆時点では第2期で原画展示予定とカフェメニューのケーキとグッズ発売アナウンスされてる。ヒョンヒョロケーキ!

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大長編ドラえもん13『のび太とブリキの迷宮』タップ、SF短編『ヒョンヒョロ』うさぎちゃん、、大長編ドラえもん2『のび太の宇宙開拓史』チャミーのたぶん兎トリオで縁起かつぎ

タップとチャミーがグッズ化されないのは原作とアニメと新作でキャラクターデザインにそれぞれ変更があったせいだろうか。正直、チャミーの脳内イメージが安定しないもんな。うそ、みんなかわいくて大切なFキャラクターズです。

2019年4月16日 (火)

ぼくの席を紹介します

東京には居場所がない。

…………、じゃあ、シンガポールやサンフランシスコやブエノスアイレスやロンドンやドゥブロブニクやトビリシやダマスカスやハノイや南極大陸や月には居場所あるのか、と考えると、ない。全然ないな。
おれ、見栄を張りました。もう1回改めて正しく。

東京にも居場所はない。

それでも席ぐらいはある。そうゆうわけで、ぼくの席を紹介します。

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ぼくの席№001


まずは場所を説明したい。

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千代田区北の丸公園3丁目にある東京国立近代美術館(略称はMoMAT)

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めざすのは本館所蔵作品展示室4F

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裏ワザ紹介:東京メトロ24時間券を窓口で見せると所蔵作品展一般500円→割引400円(工芸館ナシ)

裏ってほどでもないけど。ほかにも17時以降の入館は一般300円や、
MOMATパスポート1年間有効で1200円(本館・工芸館所蔵作品展共通)など様々ある。
企画展は前売り券分割引のみの場合がおおいけど、所蔵品展目当てならリーズナブルでプライスレス☆

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こちらがぼくの席№001(ぜんぶ)です

所蔵作品展はエレベーターで4Fまで上がって順番に降りてくるルートとなっております
(もちろん、どこから観ても、どこかだけ観てもOK)。
4F展示室の奥が窓際休憩エリア「眺めのよい部屋」となっております。

…………、これも正しく言うと。
おれ、2012年改修前の「休憩室」時代のファンだったのである。
もっと地味でもっと隅っこ感、エアポケット自然体が最高に作者にジャストフィットだったのに。
いや、いいですけどね。いいんですけどね(未練)。
なんで自販機なくしちゃったかなー。カムバック、おれの自販機!
※「ぼくの」「おれの」「作者の」とゆう表現はあくまでも気持ちです

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平川濠越しの宮内庁書陵部(たぶん)

2016年の記事⇒お濠の名前をおぼえる

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竹橋から平川橋をのぞむ大手濠(たぶん)

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テーブルもあります(入口に自由閲覧のアーカイブなどもあります)

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平川濠越しの北桔橋門(たぶん)

内堀通り・代官町通りは交通量の多い道路で、窓際のしずかな部屋に「ゴー」とゆう風切り音と走行音がずっと流れてる。
波音と同様のリラックス効果があるかもしれない(特にないかもしれない)。

これがぼくの席№001です。
ぼくが座っていないとき(最近めったに行かないのでほぼ座ってない)はご自由に座って頂いてかまいません。
いい席ですよ。




ほかにもぼくの席ではないけど、館内には休憩エリアがあります。

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階段の向こうの吹き抜け下

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3F「建物を思う部屋」

わかりやすいんだか、わかりづらいんだか、どちらかと言えばわかりづらい方に一票、なネーミングの意味は、
1969年ここを建築設計した谷口吉郎父さんを偲ぶための空間=開館いらい増改築してないエリアです。
建築家をかってに「父さん」呼ばわりする理由はコチラ、2016年の記事⇒クニオ父さんの建築めぐり


作者は「ぼくの席№001」に腰掛けにきたので、すでに大満足ですが、作品も観ました。
どんな作品でも生(ナマ)がいい。
データでも見た気になれるけど、ちがう。
ナマの作品は壊れてゆく。時間の流れ(経年劣化ほか)に例外はない。
だから精巧な複製を展示したりするわけだけど、展示されず曝露されることのない原本はナイのと一緒ではないのか?
たとえ壊れて解けてバラバラになってしまったとしても、無常の法則のなかに生存させるべきではないのか?
でも、生きるとその分だけ死んじゃうのである。
やっぱり展示は精密複製で原本冷凍保存がおすすめだろうか?
もののあはれ。モノだけに!

パウル・クレー、藤田嗣治、草間彌生、岡本太郎、赤瀬川原平といったビッグネームをさらさらっと観ないと、何時間かかっても観終わらないことをここでお伝えしておきたい。所蔵作品展はタイムマネジメントと出力調整がだいじです(点数多いので目当ての作品前に力尽きる)。

特筆は、10室「日本画」の「春まつり」べやである。

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清家清「移動式畳」←腰掛けられる作品

花見気分で腰掛けたらサイコーだった。

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剣持勇「ラタンスツール」も腰掛けられます

左図:跡見玉枝『桜花図屏風』1934年
右図:船田玉樹『花の夕』1938年
この畳からのお花見がサイコーだった。
※館内撮影はしずかに数枚撮影するぐらいなら制止されないけど、著作権・肖像権に留意+データ保持と掲載は別件で、この写真も船田玉樹の著作権切れてないんじゃないかとおもうので怒られたら怒られるやつです。先に言っておきたいのは圧巻のかっこよさなので見に行ったほうがいい、とゆうことです。

それから同部屋の松林桂月『春宵花影図』1939年は地味好みのハートに刺さる渋さ、エレベーターホールの柳原義達『風の中の鴉』1982年は荒々しいのに謎のチャーミングっぷり♡ などなど。春まつり定番の川合玉堂『行く春』1916年(重要文化財)が人だかりで混んでること以外はぜんぶおすすめです(人気はしかたない)。

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訪問はまだ咲き始めのころ

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大手濠に冬の渡り鳥(季節物)であるオオバン先輩集団

冬鳥とおもってたんだけど、どうも近年は留鳥扱いらしい。先輩はあひるみたいな「グエグエ」だみ声でお元気そうでした。



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都民のうち1万人ぐらいが「ぼくの席」と言ってるとおもう



2018年9月29日 (土)

『ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅』展@町田市立国際版画美術館

『ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅』展を観に、町田市立国際版画美術館へ行ってきました。

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ザーザー降りで美術館も公園も人影がわずか

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入口にシュマイサー夫人あての胡蝶蘭が一鉢

美術館の壁にしっくり馴染んでおだやかな空間ができあがってた。

お客層 男女比 2:1 年齢層たかめ?
ヨルク・シュマイサー(1942~2012年)は「旅する版画家」として知られます。……って書いてあったんだけど、作者は存じ上げなかった。もちろん、知らなかったから観に行ったのである。知らないだけでもおもしろいのに、そのうえものすごく見ごたえがあった。

『ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅』一般800円
2012年の逝去後、初の本格的な回顧展(2019年4月から奈良県立美術館へ巡回予定)で、初期から晩年までの代表作を網羅した約180点、です。byフライヤー
ドイツ生まれ(当時はポメラニア・現ポーランド領?)~ハンブルク育ち~京都留学~オーストラリア移住、+中東をめぐったり、イスラエルやギリシアの発掘に参加したり、インドのヒマラヤ山麓ラダックを徒歩で旅したり、南極に行ったり……、なんきょく! しかも、防蝕剤をかけた銅板を持ち歩いて、その場で直描き……、それを持ち帰ってスタジオで加筆修正製版……、Owooo! すごいエネルギー。

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撮影可

見に来たから、とくに撮影しなくていいかー、とおもったけど最初の1点目で「あ、だめだ、これ撮影したいやつだ」とあきらめ(?)撮影しながら鑑賞した。

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これが1点目『かぶとむしのスケッチ』1964年

フロントパネル反射で不鮮明に写ってるけど、謎かっこいい。

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木版『百合若大臣』1971‐1972年(『日本の伝説』より)

伝説モチーフ百合若大臣が持ってるのは八尺五寸の鉄弓。超絶繊細なスケッチからこの荒々しい木版画までの振れ幅がすごい。軽やかでやっぱり謎かっこいい。

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『釘隠し』1998年(『奈良拾遺』より)

これ、ほしいんだよね。実寸プリント(56×44cm)でポスターにして売ってほしい(作品だと保管とお手入れに自信ないのでポスター希望)。釘隠しのイメージが幻想的に重なって異次元のうつくしさになってた。ところで釘隠しは英語で「Door Nails」と言うらしい。nailは釘のほうで「Nailhead Cover」じゃないのか。なんでもいいけど、盗んで帰りたかったー(きもち)。

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版画道具セットの鉛筆が2本とも6H

けっこう硬め、たぶん製図書くヒトが使う鉛筆より硬く薄く細い線で描いてたんだな。

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『秋の果実』1989年、「鉛筆による下絵」部分

日記シリーズのところの技法解説(?)作品のなかに鉛筆による下絵があった。Owooo! 融けそうに薄い……、そしてすでに幻想的。かっこいい。

まとめ:前半きゃっきゃし過ぎて後半バテた
謎かっこいいと喜んでキャッキャして見てたら(実際は無言)後半、急速にエネルギーダウン↓配分をまちがえた。最後の連作=大作や南極を見る気力をキープしておくべきだった。グロッキー。ごめん、ヨルク。も1回行こうかな。

同時開催の、常設第Ⅲ期『まちだゆかりの作家―赤瀬川原平・岡崎和郎・中里斉』も、見ごたえあってお得でした~。こちらはむりょう、撮影不可。
それとミュージアムショップに畦地梅太郎(1902~1999年、愛媛生まれ・町田市名誉市民)グッズがあってすてきだったけど、Tシャツは見当たらなかった。モンベル行かなな。

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床貼りの順路矢印がかわいかった

2018年9月26日 (水)

[世界を変えた書物]展@上野の森美術館

金沢工業大学主催の[世界を変えた書物]展を観に、台東区・上野公園内にある上野の森美術館へ行ってきました。予想以上に混んでましたが、よかった。

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むりょう

お客層 男女比4:6 年齢層 学生ぐらい~おじいさんまで?
比較的男性多め、その代わりチビッ子はいなかった。

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撮影可

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レプリカじゃなくて本物(?)の本による『知の壁』エリア

金沢工業大学ライブラリーセンターの『工学の曙文庫』とゆう、科学者たちの重要な発見・発明を発表した初版を中心に2000点を擁する稀覯書コレクションが、とりあえず入口にドーン。当初ディスプレイ(ハリボテ)かとおもいきや、本物らしい。
※遠目だし暗めなんで稀覯書じゃないかもだけど、とりあえず図書館の所蔵本だった

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落下防止策が講じられてた

地震発生時の高所の本は凶器だからな、とおもった。

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アインシュタイン(1879~1955年)の自筆研究ノート、けっこう字が細かい

さいしょの『建築書』エリアからアルブレヒト・デューラー(1471~1528年)の『人体比例論四書』(1528年)がしれっとあってビビる。500年前のヒトだし、いまでも読みたい本だし、グーテンベルクによって活版印刷術が発明されて間もないし(推定)。びっくりして撮り忘れた。


左はデューラー自画像、右は邦訳『人体均衡論四書』31320円也

ガラスケースに入った稀覯書を見たからって、なにも知識は増えないんだけど、もうこの時点で大満足である。デューラー、生きてたんだなー。

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目的のアイザック・ニュートン(1642~1727年)の『プリンキピア』初版(1687年)

比べると上下の本で印刷したヒトがちがうのかしら(扉下部の文字だけ異なる)。それとも1巻2巻に分かれてたのか? ラテン語の壁。訊けばよかった。

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ガラスケース下は鏡になってるので装幀が見える

初版1687年/第2版1713年/第3版1726年と出版されたが、2冊とも初版本の扉。ガラスケースに入った稀覯書を見たからって(以下同文)。ニュートン、生きてたんだなー。
ここは02『ニュートン宇宙』カテゴリーでコペルニクス(1473~1543年)、ガリレイ(1564~1642年)、ケプラー(1571~1630年)、ニュートンがぐるりと固まってる。展覧会フライヤーのトップに使われ、重要な書物として「チェック20冊」に選んだうちの5冊がココにあった。

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05『光』カテゴリーにもニュートン『光学:反射、屈折、光の伝播と色について』初版(1704年)があった

説明文「(略)現代の光学理論が認める粒子と波動という光の二重性格を提示していた」らしい。えらいなー、ニュートン。そして英語だ。

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05『光』カテゴリーのニュートンのそばにゲーテ(1749~1832年)の『色彩論』初版(1810年)があってびっくり

おれ、『色彩論』(もちろん邦訳)をおもしろいなー、ってエンタメ作品として読んじゃって、そんな重要な書物だったとは。ゲーテは世界を変えていたのか! まるでわかってなかった。すまん、ゲーテ。


左はゲーテ肖像、右は邦訳『色彩論』

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10『電磁場』カテゴリーにデカルト(1596~1650年)の『哲学の原理』初版(1644年)があった

デカルトの渦動宇宙論(のちにフックが「エーテル」と呼んだ媒質粒子が宇宙空間に充満してる説)の影響を受けた渦動論者は重力に反対、とゆうか非科学的だと1687年時点でも主張していた。そこでニュートンの「わたしは仮説を作らない」という有名な一説(第Ⅲ編の一般的注釈ちゅう)で渦動説を批判・否定したってゆう対立構造(?)だったんだけど、やー、両方のずっしり重い書物を目の当たりにできてありがたやー。

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プリンキピアの複製本は自由閲覧できた

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ケプラーの第2法則に関する命題のようですな

まとめ①リンネはなかった
東京展特別出展エリアにダーウィン(1809~1882年)やメンデル(1822~1884年)はあったのに、分類学の父リンネ(1707~1778年)『Species Plantarum植物の種』初版『Systema Naturae自然の体系』第10版(1753年/1758年)はなかった。げんざいの国際植物命名規約と国際動物命名規約の出発点なのに、なぜないのだろう。
a工業じゃないので蒐集していない
b初版本が存在しないなど蒐集不能
c所蔵してるけどスペースの都合で展示されず
d世界を変えてないから?

…………、世界は変えたとおもうのだが、どうだろう。

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こちらは『知の森』13カテゴリーMAPの模型

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改めて見るとアインシュタインがポツネンとしてる

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こちらは『知の系譜MAP』流れを追える

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あらゆる知を集約したアインシュタインがやっぱりポツネンとしてる

まとめ②ファインマンも朝永振一郎もなかった
13『アインシュタイン宇宙』カテゴリーには『一般相対性理論の基礎』初版(1916年)と『特殊相対性理論及び一般相対性理論』初版1917年のみである。ポツネン。いっそ12『非ユークリッド幾何学』にいれちゃっても……、だめかしら。だとしたら、ここに量子力学ファインマン(1918~1988年)の『ファインマン物理学』(1964年)とか朝永振一郎(1906~1979年)の『量子力学』(1949年)を添えたらよいかとおもうけど、そこは、書き換え作業できていないからだめなのか。
aげんざい普通に入手できるから稀覯書ではない
b著作権の問題
cスペースの都合
d量子力学はまだ世界を変えていないから?
eげんざい学生がぜっさん使用ちゅう☆

……eの理由なら、しょうがないよね。

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段ボール型の展望論文と言える

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アリストテレス(紀元前384~前322年)のお向かいに

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アインシュタイン

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木の板(?)のインスタレーション

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焼きプリント

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グッズ売り場(ビニ傘とかラインナップ独特)でお買い物するともらえるポストカード

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レントゲン(1845~1923年)の『新種の輻射線について』初版(1895‐1896年)

まとめ③書物は重いほうがいい
ノルウェー・スタヴァンゲル大学Anne Mangenによる研究で「電子書籍は紙の本に比べて内容(時系列)が記憶に残りにくい」(2014年発表)とゆうのがあった。
紙の香りがしたり、ページをめくったり、書物が重かったりすることで「体験」に近づけたほうが記憶に重量が生まれるのかもしれない、とおもう。知の重し。

2018年8月29日 (水)

布博@町田パリオ

手紙社主催のイベント『布博 in 東京 vol.11』をのぞきに、町田パリオへ行ってきました。「パリオ」はラテン語で「何かをここから生み出す」の意味らしい、いま初めて知った。

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1975年オープンの丸窓がモダンキュートな古参ビル(B1F~5F)

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メイン会場はレンタルスペース4F

お客層 男女比1:20? 年齢層ちびっこ~おとな
おもに作家さんの展示即売会(数量限定・早いモノ勝ち)なので、午後ならアイテムが少ない代わりに多少空いてるかなー、とおもって行ってみたらちょう混雑。すごい熱気。みんなおしゃれ。この近所にはアツい乙女がおおい。

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歩けるところ=完売しました

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会場はモビールなどの装飾で色使いもかわいい

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にゃんかっぷ(ワンカップ酒)買うだけで精一杯

布でも刺繍でもない。


まとめ:500円玉が不足してた
2週連続で8月24日~8月26日は「刺繍に恋をする週末」、8月31日~9月2日は「ハンカチに恋をする週末」なので今週末も開催される。腹筋を鍛えて小銭を用意してから行きたい。


2018年2月 6日 (火)

『本をめぐる美術、美術になった本』@町田市民文学館

『本をめぐる美術、美術になった本/近代日本の装幀美本からブック・アートまで:1905‐2004』展を観に、町田市民文学館へ行ってきました。

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町田駅から徒歩10分ていど、今企画展むりょう

ちなみに1Fは閲覧スペース&喫茶スペース(コーヒー180円)、いつでもむりょう。

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2F展示室へ向かう階段の踊り場にデコレーション

階段の1段1段も手作りの装幀デコレーションでかわいかった。

『本をめぐる美術、美術になった本/近代日本の装幀美本からブック・アートまで:1905‐2004』
本の装幀と本をモチーフにした現代アートが主題の企画展で、まず江戸時代の和装本から。
メインは明治30年代(たとえば夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』が1905年/装幀は橋口五葉)~昭和20年代(たとえば小林秀雄『私の人生観』が1949年/装幀は青山二郎)の美本のみなさん。
『虞美人草』1907年/装幀は橋口五葉(だったかな)がアール・ヌーヴォーだったり、『吾輩ハ猫デアル』が現在の価格換算2万円ぐらいの豪華本だったりしたとはしらなかった。ああ、こうゆう流れで岩波書店の『漱石全集』が朱地に拓本の漢字が薄緑色の布装でやたらハデなのかー、とおもった。(もともとは漱石じしんが装幀を手掛けた『こころ』の装幀、箱は先生特注「漱石山房」原稿用紙モチーフ←こちらも橋口五葉デザイン)

でもけっきょくのところ、泉鏡花『日本橋』1914年/装幀は小村雪岱(こむらせったい)の実物や原画のキレイさにめろめろである。「雪岱調」で大正・昭和初期の大衆を熱狂させたとウワサだが、平成でも次の元号でもいける。一見して胸をアツくさせるヴィジュアル系。

おなじモダン(?)好みでは、コレット『紫の恋』(深尾須磨子訳の『シェリ』)1928年/装幀は東郷青児がちょうオシャレ。軽やか。
なにしろ岸田劉生が手がけた武者小路実篤作品など一冊一冊の存在感が重い。本って怨念でできてるのね、と実感する重さ。
なかでも谷崎潤一郎『春琴抄』1933年/装幀は谷崎じじん、漆塗りの存在感が重い。朱黒2色版つくったって……耽美がすぎる。もはやグロい。しかも内容は『春琴抄』なワケである。出版当時酷評(批判)されたとゆうのもうなずける。谷崎さん、トゥーマッチです。いや、『春琴抄』の中身はいいとおもうけど。
ここまでのみなさん、DMMの配信ゲーム「文豪とアルケミスト」で美丈夫にされてますな。小林秀雄とコレットはされてないけど。

まとめ:どこまでもヲタク
本一冊編みあげるのって大量のエネルギーが必要で、内容はもちろんだけど、画でいったら額縁にあたる装幀までそのヲタクパワーが発露され結晶になったのが完成本=作品な気がした。とゆうかずっと脳裏に「ヲタク……、ヲタク……」と浮かんでた。ご本人たちがごくごく真面目に取り組んだ結果としての重みがひしひし。
「言葉に生きた文士達は言葉の力を信じていた/だからそこに言葉を書きつけてひとつの世界を築きあげた」(出典失念)
それと、弥生美術館と千葉市美術館いいモノ持ってるなー、と再認識した。
所要時間:30~60分?

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夏目漱石『四篇』1910年/装幀は橋口五葉の印刷ブックカバー

来館アンケートを提出すると所蔵作品をつかった紙ブックカバー(2種類から択一)をもらえるとゆうので、紙ブックカバー好きの作者はもちろんもらった。オシャレ紙でとてもいい。

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ボルヘス『砂の本』に

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